ゼクシオ テンをナインの設定で打ってみた
“芯食い体験”を数字で表すと、どうなる!?
前評判通り売り上げ好調なのが、昨年12月に発売された王者ブランド「ゼクシオ テン」シリーズ。「ゼクシオ テン ドライバー」の商品説明では『飛びの“芯食い体験”』と銘打ち、前作「ゼクシオ ナイン ドライバー」より5yd増と公表されているが、果たしてその真相はどうなのだろうか!?
ナインより明らかにスピン量↓↓
人間試打ではどうしても先入観が邪魔をしてしまうので、まったくの同条件・同スぺック(純正MP900とMP1000カーボンシャフト)を生かすため、あえて試打ロボットを使用して比較テストを実施した。
一般アマチュアゴルファーの平均ヘッドスピード(以下H/S)39設定で、「ゼクシオ ナイン ドライバー」を使用して一番飛距離が出る“どストレート”弾道設定を作成。その設定のまま「ゼクシオ テン ドライバー」を打ってみた。大きな差は「バックスピン量(Spin Rate)」で、ナインが2400rpmのところテンは1850rpm。「ダイナミックロフト(Dynamic Loft)」の差も4.8度(ナイン16.4度 テン11.6度)と大きく、弾道はテンのほうがかなり低く出ているのが分かる。
「ナインより“低スピン化”しているかも」
この現象を長年クラブ開発に携わってきたクラブジャーナリスト嶋崎平人氏に聞くと、「ナインでのベスト設定なのでやや強引な見解ではありますが、テンは低スピン化の要素が加えられているのかもしれません」とのこと。
「同じ力量で同じスイングをしているロボットに対し、スピン量が大幅に減り、ボール初速が出ています。テンのスピン量が減った原因は、シャフトの手元をナインより軟らかくした影響で、ダイナミックロフトが立って入ってきたことが原因と推定できます。人間のスイングに当てはまるかどうかは分かりませんが、この現象だけを見ると、ナインよりは打ち出し角を抑え、ややスピン量が減少する傾向にありますね」
飛距離性能は、やはりナイン以上!?
「また注目はH/S(CLUB SPEED)で、ナイン39.3m/sに対しテンは40.1m/sと上がっています。これはテンがナインより0.25インチ長くなった影響です。ロボットは人間と比べてパワーがあるため、単純に長さの分だけH/Sは上がります。そのうえで総重量を2g軽くして(ナイン277g→テン275g/S仕様)、人間が振った時に振りきれるように設計されていると考えられます。長さでH/Sを上げ、軽さで振り抜きやすさを担保したモデル。ややナインだと物足りないと感じた人には、最適の“飛ばせる設計”になっていることが分かります」
「ゼクシオ ナイン ドライバー」より振り抜きやすさを考慮し、H/Sが上がる「ゼクシオ テン ドライバー」。王者ブランド10代目の進化をぜひ一度体感してみてはいかがだろうか。
※以下はトラックマン試打データ。
取材協力/株式会社ミヤマエ