13代目出るけど…歴代モデルどれが良かった?「XXIO」中古でタイムトラベル
住友ゴム工業(ダンロップ)の大ヒットモデル「ゼクシオ」シリーズの13代目(ゼクシオ 13 ドライバーなど)がベールを脱いだ。12月9日の発売開始に先立ち、中古市場を未だにぎわすオススメの過去モデルを紹介する。
初代誕生は2000年 “XXIOプチヒストリー”
ダンロップは1988年から90年代にかけて提携先だった米キャロウェイの製品を日本で販売し、その売り上げはクラブ事業全体の多くを占めていた。好調ぶりが続く中、キャロウェイは自社による日本市場での展開を狙い、両者の関係は終了。あまりに大きかったその穴を埋めるべく、開発されたのがゼクシオだった。2000年に発売された初代はアマチュアからツアープロまで使えるクラブとして大ヒット。20年以上に渡ってトップブランドとして君臨している。
ロングセラーの理由は何と言っても、一般アマチュアの悩みを解決してくれたことに尽きる。ボールがつかまる、上がりやすい、飛距離が出る。また、爽快な打球音が日本の多くのゴルファーの心をつかんだ。片山晋呉や横峯さくらをはじめとした一流選手がツアーで使用して活躍したことも大きいだろう。
当時のメインターゲット層の高齢化により、ゼクシオは次第に“シニア”に愛されるイメージが強くなったが、2019年末にはアスリートにも寄り添う「ゼクシオ エックス」をリリースし、若いゴルファーをターゲットにしたラインアップも増やしている。
オススメのモデルは何代目?
初代ゼクシオは発売当初のメインターゲットであった団塊世代に強く支持された。ターゲットの高齢化に伴う製品の軽量化が進み、現在のクラブの全体重量(280g前後)はかなり軽い部類に入る。“ゼクシオはやさしい”という巷の評判だけを頼りに購入すると、一部のゴルファーにとっては、クラブが軽すぎて手打ちを助長してしまう恐れがあるが、「ボールをつかまえたい、ボールが上がらない」悩みを持つ方にはやはりオススメだ。
9代目「ゼクシオ ナイン ドライバー」などはすでに1万円前後で手に入るのでコスパは高い。また、エックスシリーズはデザイン面でも“シニアイメージ”が払拭されている。特に2021年発売モデルは菅沼菜々、青木瀬令奈らツアープレーヤーも使用するモデルとしては、つかまりの良さ、ボール初速の速さに特筆すべきものがある。3万円台前半から見つかるだろう。
ドライバーだけでなく、フェアウェイウッドもシリーズ人気を支えている。3代目まではチタンヘッド、4代目から7代目までチタンフェースにステンレスボディ、8代目以降はステンレスヘッドと変化したが、一貫してやさしさに溢れている。ほとんどのモデルに5種類(3、4、5、7、9番)の豊富な番手設定があり、フェアウェイウッド好きにはたまらない。なお、「エックス」は3、4、5、7番をラインアップしている。
ひとつ注意したいことがある。6代目(新・ゼクシオ)以降、装着されている純正シャフトが40g台となっており、重量が他のメーカーの1Wシャフトよりも軽いことがある(1Wのシャフトのほうが軽いのが一般的)。2017年発売の10代目(ゼクシオ テン)などは、2万円台前半でリシャフトしてあるモデルも多くある。“シャフト軽すぎ問題”さえクリアできれば、ぜひオススメ。なお、筆者は3代目までのフルチタンのフェアウェイウッドをコレクションしたいと妄想している…。
レディースは圧倒的なシェアを誇る
矢野経済研究所が毎年発表する「2023年版ゴルフ産業白書」における2023年の国内ゴルフ人口推計値によると、国内ゴルフ人口における女性比率は16.6%。近年のレディースクラブ市場も競争が激化しているが2011年から23年までのレディースドライバーにおけるゼクシオは34.5%と圧倒的なシェアを誇る(矢野経済研究所YPSデータ調べ)。
新品市場においてゼクシオレディースは絶大な人気があり、中古市場にはなかなか出回らないのが実情だが、ヘッドスピードを35m/s近く出せるレディースゴルファーなら、メンズモデルも選択肢に入るはず。
23年前の起死回生の大ヒットから業界をリードしてきたゼクシオ。中古ショップでは新品市場に比べれば、人気が少し落ちる印象だからこそ狙い目でもある。まずは最新作がどんな評価を得るのか見守っていきたい。(文・田島基晴)
■ 田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。