予算7万円で “100切り中古セット”を組んでみた ギアマニアが選んだのは?
今回の中古ギア情報は、限られた予算の中でオススメの14本を選ぶ企画。ドライバーのヘッドスピード40m/s前後の男性、コンスタントに100が切れないゴルファーを仮想ターゲットにして、筆者がギアに詳しい先輩ゴルファーとなって考えた。予算はズバリ、7万円だ。
予算達成を大きく左右するドライバー選び
まずはドライバー。選択肢が多いため、コストパフォーマンスに優れたモデルを選びやすい分野でもある。まずはニュートラルな1本から。プロギア「RS E」(2019年)は慣性モーメントが大きく、ボールも上がりやすい。扱いやすくてクセのない純正シャフトのポイントも高く、約9000円(8980円)で見つかった。
球筋を打ち分けたいならダンロップ(住友ゴム工業)「スリクソンZ785」(2018年)を勧めたい。フェアウェイキープの達人として知られる稲森佑貴のほか、国内女子ツアーでも使用者が多かった。プロ使用モデルにしてはボールのつかまりが良い。こちらもほぼ同額。中古ドライバーは1万円以下でも優良品が見つかりやすい。
フェアウェイウッドは「3番」にこだわらない
今回の対象ゴルファーを考えると、フェアウェイウッドは必ずしも「3番」を選ぶ必要はない。ロフト角が大き目な3HL(ハイロフト)や5W、そして7Wの2本を低予算で選んだ。
テーラーメイド「SLDR S」(2014年)は3HL(17度)と5HL(21度)という扱いやすいロフト設定が魅力。約5000円(4980円)で見つかった。白いヘッドは投影面積が大きく見え、安心感もあるのがうれしい。ほぼ同額で扱いやすいのがフォーティーン「GelongD CF115」(2014年)。5Wのロフト角が17.5度と少し立っていて、一般的な4Wに近い。
使い勝手の良いユーティリティをぜひ
最も短いフェアウェイウッドが7番、最も長いアイアンが5番だとすると、この間を埋めるロフト角22度前後のユーティリティを1本入れたい。パー3をはじめ、グリーンまで長い距離が残った時にも有効だ。青木瀬令奈が使っていたダンロップ「スリクソンZ H65」(2016年)は構えやすく、安定したスピン量が魅力。
しっかり重さのある純正シャフトが装着されている本間ゴルフ「ツアーワールド TW727」(2014年)も見逃せない。どちらも約9000円(8980円)で見つけることができた。25度前後のユーティリティも1本入れておくと、ラフやフェアウェイバンカーなど困った時に役立つのだが、2万円以下では数えるほどしかなかった。予算の都合上やむなく断念…。
安定の「ゼクシオ」かミズノMPの「H4」ならアリ
アイアンは5番からPWまでの6本セットから選んだ。シャフトは重めのカーボンも選択肢に入れたいが、予算的に厳しく、軽量スチール一択になった。まずはやさしさ重視でいくとダンロップ「ゼクシオ2010」(2009年)のスチールシャフト装着モデル。軽量スチールシャフト装着モデルは、軽すぎず、ミスに強いやさしいヘッドと相まって使い勝手が良い。約2万円(1万9800円)で軽量スチール、ちなみにカーボンモデルも見つかった。
アスリート志向ならミズノ「MP H4」(2012年)を提案する。プロや上級者向けと思われがちだが、こちらはヘッドサイズも大きく、3~7番まで中空構造、8番以降は軟鉄鍛造キャビティ構造でミスに強い。どちらも約2万円(19800円)で見つけられた。
ウェッジはミスへの強さと状態にこだわる
5000円以下でも意外と面白いものが見つかるのがウェッジだ。セットで使うことを前提に、同じモデルでAW、SW相当のロフト角、同じシャフトというこだわりで探してみた。まずはフォーティーン「DJ-4」(2019年)の50度、56度を勧めたい。アマチュア向けのミスを減らすことを前提にしたモデルなので安心感がある。もう一つはクリーブランド「RTX F-フォージド」(2016年)。ヘッドサイズが大きく、こちらもアマチュアゴルファー目線で作られている。どちらも約5000円(4980円)とお求めやすい。
パターは長く使えるお気に入りを
前提として、パターは自分のエースを見つけることをお勧めしたい。ただしゴルフを長く続けていると、パッティングの好不調の波がやってくる。その際はエースパターとヘッドの動き方が異なるモデルを選ぶと、“気づき”があるという。下にタイプの違う3種のパターを紹介するので、まずはエース、その後に特性の違うサブパターと、それぞれを見つけてほしい。
高慣性モーメント系のやさしいヘッド路線でいえば、テーラーメイド「ロッサ モンザ スパイダー AGSI+」(2008年)。いわゆる初代スパイダーだ。繊細なタッチが作れるのはL字型のYes!「C-グルーブ Sophia」(2007年)。その中間タイプとしてブレード型のピン「ANSER SCOTTSDALE PING ブロンズ」(1996年)やマレット型の代表的形状であるオデッセイ「BLACK SERIES #3」(2007年)等があり、どちらも約5000円(4980円)で発掘できた。
さて、合計金額はいくらだったか。ドライバーが8980円、フェアウェイウッドが2本でそれぞれ4980円。22度のユーティリティは8980円。アイアンセット(5番~PW)は1万9800円で選んだ。ウェッジ2本はそれぞれ4980円(50度、56度)。パターも4980円。13本で6万2660円になった。
あと1本は、苦手ショットを埋めるクラブを選んでみてはいかがだろう。ティショットが苦手なら3Wを。アプローチが苦手な人はチッパーも考えたい。筆者のイチオシはラフやフェアウェイバンカーからなどのショット対策で、ロフト角25度のユーティリティを入れるプランだ。(文・田島基晴)
■ 田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。