「あんまり教えたくないんだけどなぁ…」ギアマニアが思わずポチる中古・逆輸入系“USシャフト”

「あんまり教えたくないんだけどなぁ…」ギアマニアがポチる逆輸入系USシャフトHOT LIST
上からVENTUS、LIN-Q、HZRDUS、TENSEI、KUROKAGE

日本メーカーのモデルであっても、米国発のシャフトは「ハード過ぎて振れない」というイメージを持たれがちだ。しかし実際には選択肢が多く、製品それぞれの性格が明確で、中古品が意外と安いというメリットがある。相場やスペックの考え方、代表モデルの性格について解説しよう。

日本メーカーなのに製品は米国発?

日本のメーカーが作るゴルフシャフトがすべて国内で開発されているとは限らない。三菱ケミカルの「TENSEI」「KUROKAGE」「ディアマナ」、藤倉コンポジットの「VENTUS」などはもともと、米国ツアー向けに設計されたシリーズだ。タイガー・ウッズが使用したことをきっかけに、日本でも人気が高まった。米国にもシャフトメーカーが数多くあるが、市場は日本のメーカーが優勢となっている。

タイガー・ウッズが未だに使うM3にはディアマナが挿さる
タイガー・ウッズが未だに使うM3にはディアマナが挿さる

海外メーカーの中古クラブを探していると、「USモデル」と表記された製品を見つけることがあるだろう。これらは並行輸入品で割安感が漂う。同じヘッドの日本モデルとの差は重量くらいのもの。確実に違うのが、純正シャフトだ。

もちろんメーカーやモデルによって異なるが、筆者なりの“法則”がある。まずはシャフトの硬さ。同じフレックス表記でも並行輸入品はしっかり感がある。20年前よりはその違いが少なくなった気もするが、USモデルのR=日本仕様のSRやSという具合。重量も重い場合が多いのでチェックしよう。ヘッドだけを使用したい場合、並行モノは狙い目だ。

「VENTUS」は初代とTRにお得感

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24VENTUSレッド(上)と初代VENTUSブルー

最近の男子ツアーで国内外を問わず人気なのがVENTUSだろう。2019年発売の「VENTUS」、2022~2023年発売の「VENTUS TR」、2024年発売の「24 VENTUS」の3代。初代は2025年12月をもって生産が終わるが、TRと24は併売されている。

どの年代も中調子でニュートラルな「ブルー」、先中調子で打ち出し角を稼げる「レッド」、元調子でハードな「ブラック」の3モデル(初代のレッドは国内未発売)。国内開発の「スピーダーNX」よりも、同じフレックス(硬さ)表記でもしっかりしている。重量も各グラム台の後半となっているのが特徴だ。TR(Tour Rated)は初代より剛性が高い。どの年代もブラックは50g台でもRの設定がないというハード仕様だ。中古の初代とTRにはお買い得感がある。

狙い目は「KUROKAGE XT」か!?

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左からKUROKAGE、TENSEI 1K COREオレンジ、ディアマナ PD

米国発のモデルを日本製に“帰化”させるのがうまいのが、三菱ケミカルだ。「Diamana」は現在、国内主導となり、「KUROKAGE」、「TENSEI」とヒット作が続く。国内シニアツアーでは2018年の「KUROKAGE XT」を探す選手が多いらしい。ロリー・マキロイ(北アイルランド)も使った中元調子の名作だ。スリーブ付きシャフトが1万円前後で見つかるだろう。

TENSEIは「CK PRO」シリーズから第2世代「1K PRO」に移行した。こちらも色によって特性が違う。「レッド」は先中、「ブルー」は中調子、「ホワイト」「オレンジ」「ブラック」(1K CORE)は元調子となる。日本ではCK PROシリーズはオレンジしか展開されなかったが、USモデルには各色がある。

USTマミヤの「LIN-Q」シリーズ

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リッキー・ファウラーが5Wに挿していたLIN-Q

「プロフォース」という黄色いシャフトがマニアの間で流行り、日本にリシャフトブームの礎を作ったのがUSTマミヤだ。同製品を最後にUSモデルの販売は積極的でなかったが、2023年の「LIN-Q ブルー EX」から国内導入が盛んになった。

こちらも「ブルー」(中調子)、「レッド」(中調子)、「ホワイト」(元調子)と色によって性格が違うが、手元のしなり感はどのモデルもあまり変わらず、先端のしなり感で性格を変えているのが面白い。どのモデルも扱いやすく、コスパも高い。

米国メーカーシャフトのおススメは?

残念ながら筆者もあまり試打する機会がないのだが、印象に残ったシャフトを紹介したい。アルディラ「ROGUE インフィニティ」は最も軟らかい「TR」(ツアーR)でもかなりハード。低スピンが特徴で、このシャフトをしならせることさえできれば、かなりの飛距離が期待できるだろう。2万円前後で見つかる。

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PGAツアー選手に根強い人気のあるHZRDUS

トゥルーテンパー「PROJECT X DENALI レッド」は、意外と間口が広い。手元も硬すぎず先端も心地よく動く。「DENALI」シリーズはどのモデルもハードすぎず、同社の「HZRDUS」シリーズと比較するとかなり癒し系と言えるだろう。

US発信のシャフトに先入観を持っているゴルファーは多い。もちろんハードなものが多いが、普段よりもやさしいスペックにすると意外と良い結果がでるかもしれない。特に各社の赤いシャフトは、低スピン過ぎるヘッドに困るアマチュアが恩恵を受ける可能性もある。シャフトは製品寿命が長く、中古で運命の出会いができる可能性が高い。(文・田島基晴)

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田島基晴 プロフィール

1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。

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