「BX1 ST、Z U85、スパイダーツアーX…」ギアマニアが最近ポチった中古クラブ5選
週に一度の本連載(中古ギア情報)は、実は16年間続く長寿企画でもある。ギアマニアを自称する筆者はこの期間も数多くのクラブを購入してきた。今回は最近手に入れたギアと、選ぶに至ったポイントを書き出してみようと思う。
目次
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1.ブリヂストン「BX1 ST」
慣性モーメントは“大きすぎない”のが正解なゴルファーも -
2.テーラーメイド「Qi10 フェアウェイウッド」
FW選びの基準は、飛距離性能よりも“顔”と“打感” -
3.ダンロップ「スリクソン Z U85 ユーティリティアイアン」
ロフトの多いアイアンUTがもっと欲しい! -
4.マスダゴルフ「STUDIO WEDGE M425/S」
ノーメッキの“割安感”を逆手に取る -
5.テーラーメイド「スパイダー TOUR X」(2025)
世界ナンバーワンの武器を賢く手に入れる
1.ブリヂストン「BX1 ST」
慣性モーメントは“大きすぎない”のが正解なゴルファーも
昨今の多くのドライバーは“10K(1万)”のフレーズの登場のように、慣性モーメント(MOI)の高さを競っている。しかしMOIが大きすぎると、スイング中にヘッドの挙動を制御しにくく感じるゴルファーも一定数いる。筆者がこれまで気持ちよく振れたドライバーのヘッドデータを振り返ると、芯は決して広くはないが、芯に当てやすいモデルがあることに気づいた。
ブリヂストン「BX1ST ドライバー」はMOIをあえて4000g・cm2台の中盤に抑え、低スピンと操作性を重視したモデル。重心深度が浅く、寛容性は落ちるが、ダイレクトな打感があり、低スピン弾道が打ちやすくなるメリットを感じた。スイング中にフェースの向きを感じ取りやすいため、意図した打点にコンタクトしやすい。
「オートマチックな直進性」よりも「芯に当てやすい」ことで、曲がらず飛距離も確保できると感じるケースがあることを覚えておいてほしい。独特のフェース処理のおかげか、イメージした通りの弾道でボールが飛び出していくのが心地いい。
2.テーラーメイド「Qi10 フェアウェイウッド」
FW選びの基準は、飛距離性能よりも“顔”と“打感”
フェアウェイウッドは、モデルチェンジによる飛距離の差がドライバーよりも出にくいカテゴリーである。ならば、選ぶ基準は「構えやすさ」と「打感」。そして「イメージした球筋」が出やすいかにこだわりたい。
中古で手に入れた「Qi10 フェアウェイウッド」は、名器「Vスチール」を思わせる抜けの良さと、引き締まった打感が秀逸である。最新の「Qi4D」も、もちろん打ってみた。飛距離性能はQi4Dが上回っているが、Qi10の可変スリーブのないスッキリとしたネック形状と、中古で2万円台前半という価格が魅力的だった。購入したのは7W。3HLとセットでそろえたいのだが、なかなか見つからない。
3.ダンロップ「スリクソン Z U85 ユーティリティアイアン」
ロフトの多いアイアンUTがもっと欲しい!
アイアン型UT「Z U85 ユーティリティアイアン」のロフト29度(6番)という設定は極めてレアだ。提案したいのは、ウェッジ感覚で打てるマッスルバックやハーフキャビティアイアンをPWから7番まで入れ、6番の代わりにアイアン型UTを入れるセッティングである。
球の上がりやすさ、ミスへの強さは一般的なアイアンよりも、中空アイアンにかなりの優位性がある。ターゲットへの構えやすさはウッド型UTよりアイアン型が好みという人が多いはずだ。以前から持っていた23度、26度のアイアン型UTに加え、29度の「Z U85」を入れたことで繋がりが良くなった。
クラブ長がアイアンセットよりも長いので、29度でも6番アイアン並みの飛距離が出る。アイアン型UTセットもシャフトは同じものにそろえると違和感なく使える。
4.マスダゴルフ「STUDIO WEDGE M425/S」
ノーメッキの“割安感”を逆手に取る
職人・増田雄二氏が手がける傑作ウェッジ「STUDIO WEDGE M425/S」。オフセット(グース)が大きく、絶対的な安心感のある「M425」を愛用していたが、ストレートネックのM425/Sをずっと使ってみたかったのだ。やはり、ちょうどいい操作性を味わえた。
中古市場において、ノーメッキ(RAW)モデルは表面のサビや変色により、一見すると状態が悪く見えがちだ。そのため、性能に問題がなくても割安になる傾向がある。地面と触れるウェッジは劣化しやすい。ノーメッキや黒染めと言われる酸化処理加工が施されたモデル、メッキでも銅メッキなどは特に劣化のスピードが速い。
フェース面をしっかりチェックして、溝が劣化していなければ、見た目はさておき性能には問題がない。マニアにとってノーメッキは「育てがいのある道具」だ。オイルで手入れをし、自分なりの質感に仕上げていく楽しみもある。
5.テーラーメイド「スパイダー TOUR X」(2025)
世界ナンバーワンの武器を賢く手に入れる
最後は世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーが愛用し、脚光を浴びた最新の「スパイダー TOUR X」である。マレットの寛容性と、L字のような操作性を併せ持つ、非常に扱いやすいパターだ。
フェースインサートの溝に小石が入りやすいのが気になるポイントであるが、3万円台前半でゲット。相場より20%近く安かった。純正のヘッドカバーがなく、グリップが交換されていたためだ。ヘッドカバーは自分好みのものを使い、グリップは愛用グリップに交換すればいいと割り切れるマニアにとっては、こうした「実用上の問題がない欠損」を受け入れることこそが、人気モデルを安く手に入れられるチャンスとなる。
もちろん、筆者が中古ショップに手放す時の買い取り査定額は低くなる。しかし、人気が落ち着いて価格自体が下がれば、「ヘッドカバーの有無」「グリップの交換状況」による査定ダウンの影響は少なくなる。
筆者は中古でクラブを購入しても、そのまま使うことがほとんどない。特にフェアウェイウッド、ユーティリティ、ウェッジは“いつものシャフト”というモデルがあり、必ず交換する。シャフトとゴルファーとの相性は非常に重要だからだ。グリップも“いつもの”に変更するだけで、もはや中古という感じがなくなり愛着も湧いてくる。買い替えの頻度があまり高いと、スコアメークにはマイナスだと分かっているが、やめられないのがギアマニア。あなたもこちらの世界へどうぞ。お待ちしています。(文・田島基晴)
■ 田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。