GPS派?レーザー派?はたまたコンボ?距離計測器おススメ中古ピコッと指南
2025/01/24
2019年のゴルフルール改正で競技での使用が“原則として”認められた距離計測器は近年、アマチュアゴルファーの間でも一気に普及した。最近の計測器のトレンドを把握して、中古でコスパよく手に入れるポイントをまとめてみた。
距離計測器市場の急激な変化とは
2000年代のはじめ、高価な距離計測器は多くのゴルファーにとって“高嶺の花”で、サイズも大きく、使用者はごくわずかだった。小型で3万円を切る「ショットナビポケット」というGPS計測器が登場したのは2008年。これをきっかけに参入メーカー、新商品が多く登場した。
GPSタイプは手軽でレーザータイプよりも安い。かつては精度がイマイチと言われていたが、利用可能な衛星の増加に伴い高精度の製品が続々登場。売上の比率はGPSが市場全体の8割を占め、圧倒的なシェアを誇った。
しかし近年は小型化と低価格化が進んだレーザータイプが大躍進。2021年の売上シェアはGPSが68%、レーザーが32%。2024年にはGPSが45%、レーザーは55%とついに逆転した(矢野経済研究所 YPSゴルフデータ参照)。
どちらにも長所と短所がある。レーザータイプは照射したターゲット(ピンなど)までの距離計測の精度がやはり魅力。一方でGPSタイプは、レーザーで測るのが難しいエリア(グリーンの手前や奥までの距離など)が計測しやすい。また、歩いていれば都度、ターゲットまでの距離が分かるのも良いポイントだ。
昔は競技志向の上級者はレーザー、初心者やエンジョイゴルファーはGPS…と言われていたが、どちらも大きなメリットがあり、価格も下がってきたので、“両方持ち”のプレーヤーも増えている。
GPSタイプに意外な逆風も
GPSタイプは最近、腕時計型が人気を集めている。画面にホールのイラストが配置され、バンカーや池までの距離なども表示されるようになった。低価格化するレーザータイプに対し「あったらイイな」の機能を高めることで高価格化が進んだ。
しかし、時代の流れが“逆風”の要素ではある。最近はスマートウォッチが一般化し、日常的に使用する腕時計をGPS計測器として利用するゴルファーも増えている。HUAWEI WATCH(ファーウェイウォッチ)のGT5はGPS距離計機能を標準搭載。Apple Watch(アップルウォッチ)もアプリを利用することでGPS距離計に変ぼうする。
狙い目は低価格帯で、スマートウォッチ機能のないゴルフ用に特化したモデル。ショットナビ「Evolve PRO Touch」(2023年)は機能がてんこ盛りで、グリーンの傾斜まで表示されるのがありがたい。中古で2万5000円前後が相場だ。
有機ELディスプレイで見やすいグリーンオン「ザ・ゴルフウォッチ A1-III」(2023年)は、2グリーンのゴルフ場で同時に両方のグリーンが表示される。朝日ゴルフ「イーグルビジョン Watch ACE PRO」(2024年)は、国内の提携ゴルフ場限定でピンポジションをダウンロードすることでピンまでのポジションを計測。スマホアプリと連動することで当日の1時間毎の風向き、風速、降水量、天気、気温の情報も取得可能。どちらも4万円前後が相場だ。
ちなみに筆者はGarmin「アプローチS72」(2023年)を愛用している。2ラウンド連続で使用しても充電が持つ。また、同社のレーザー型「アプローチZ30」(2024年)と連動することでピン位置を表示できるメリットがある。
レーザータイプは機能満載に
最近のレーザータイプは付加価値や拡張機能の豊富さで価格が上下する。高低差を考慮するスロープ機能はもはや標準化。そんな基本性能に加え、超コンパクトボディで使いやすいケースも付属しているのが、キャディトーク「キャディトーク ミニオン」(2024年)だ。2万円前半から見つかるだろう。
同ブランドの「キャディトーク キューブ」(2024年)は、風速、気圧、湿度などを計算して、打つべき“推奨距離”を表示してくれる。カートに乗っている場所で、ボールからピンまでの距離を計測できる3D計測機能もある。2万5千円前後で見つかった。
ブランドにこだわるなら以下の2社は外せない。ニコンの「COOLSHOT PRO II STABILIZED」(2021年)は強力な手ブレ防止機能がついて、究極の照射の手軽さを実現。3万円台で見つかるだろう。ブッシュネル「ピンシーカープロX3プラスジョルト」(2024年)は高性能な機能をアルミ合金ダイキャストボディに納めた同社の最高級品。耐久性が抜群だ。7万円台で見つかった。
競技使用するなら事前確認を
GPSとレーザー、どちらを選ぶにせよ、発売から5年以上経ったモデルは避けよう。ただし、前提として注意してほしいのが、2019年のルール改正で距離計の使用は認められたが、用途は直線距離の計測に限定されている。スロープ機能(高低差の計測)や気圧、風速、湿度を考慮した距離情報を得ることは認められていない。競技によっては、計測器そのものの使用が禁止されることもある。
「距離計測器は上達してから!」と考えるゴルファーが多いが、残り距離を正確に把握してから打ったショットを細かく振り返ることで、距離感は育つ。ここ数年で低価格になった距離計測器をゲットしてスキルアップを目指そう。(文・田島基晴)
田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。
レッスンカテゴリー
- 基本動作アドレス グリップ スイング ドライバー バンカー 練習ドリル
- 弾道別スライス フック トップ ダフリ 高い 低い テンプラ
- スイング改善アドレス グリップ 振り遅れ インパクト フォロー
- 状況 クラブ別ドライバー アプローチ バンカー ラフ 傾斜 アイアン
- 中上級 応用ドロー フェード 距離感 マネジメント スピンコントロール
- ボディケアスキンケア ストレッチ 花粉症 筋トレ アレルギー
- ルール マナーゴルフ規則 マナー