今さら聞けないスイングの基礎

フィニッシュの重心を意識して弾道を変える ~第11回~

2016/07/18 09:00

足の裏でいつも重心を感じよう!

つま先体重=スライス、かかと体重=フック、球筋の傾向を頭に入れておこう

コース上ではもちろんのこと、普段の生活の中でも、絶えず足の裏で地面の傾きを感じて欲しいと思います。つま先に体重がかかるようならスライスしやすいな、かかとならフックに気をつけよう、といった直感を日頃から養っておいて欲しいのです。

つま先上がりの傾斜ではフックしやすい

つま先上がりの傾斜では、かかと体重になりフックしやすくなります

最初から重心が乱れてしまいがちな、傾斜のライであれば、まずアドレスの時点でその影響を最小限にとどめようとするはずです。つま先上がりの傾斜であれば、かかと体重になるので、できるだけニュートラルに構えます。それでも、スイング中に後方へと引っ張られるので、かかと体重傾向のフィニッシュになっていきます。さらに、アドレス時にヘッドの位置が高くなることで、最初からフェースが左を向くので、左に出て左に曲がる球になりがちです。

つま先下がりの傾斜ではスライスしやすい

つま先下がりの傾斜では、つま先体重になりスライスしやすくなります

つま先下がりの傾斜は、つま先上がりとは逆です。フィニッシュでの体重がつま先方向へとかかりやすいので、スライスしやすくなります。さらに、ヘッドの位置が低くなることで、最初からフェースが右を向くので、つま先下がりでは、右に出て右に曲がる球になりやすいのです。

こうした傾斜の状況で、狙った方向に打ち出し、曲がりを抑えるには、どうすればよいでしょうか?今までの知識を利用すれば、きっと自然に対処できるはずです。

まず、傾斜の影響を最小限にするようアドレスでの重心を定めることです。次に、傾斜に引っ張られない方向へと、フィニッシュ時の左足の重心をもってくるといいでしょう。そして、フェース向きをつま先上がりの傾斜ならオープンにしたり、つま先下がりの傾斜ならクローズにしたりと、あらかじめ調整しておくといった工夫が生まれてきます。

これまで連載してきた【今さら聞けないスイングの基礎】での知識をフル活用して、是非、コースに臨んでみましょう。フラットな練習場ではなかなか分からない、生きた経験をしっかりと積み重ねることができるはずです。

今回のまとめ ~動画付き~

フィニッシュでの重心位置によって弾道が変わる話を動画でまとめてみました。

・つま先体重フィニッシュではスライスになりやすい。

・かかと体重フィニッシュではフックになりやすい。

・左足の母指球と土踏まずの間に、フィニッシュの重心が収まればストレートボールを保ちやすい。

・いつも足の裏で傾斜を感じ、ミスの傾向を踏まえてプレーしましょう。

次回はついに最終回!「基本をマスターした上で試行錯誤を楽しもう ~第12回~」です。これまでのレッスンをおさらいしつつ、ゴルフの本当の楽しさがわかる内容になります。

トーナメントコースでもある東名カントリークラブ。晴れている日は富士山を見ることができるぞ

撮影協力/東名カントリークラブ
【住所】静岡県裾野市桃園300
【アクセス】東名高速道路/裾野ICより9km
【電話番号】055-992-3331

『富士山を望む、高速グリーンに挑戦しませんか』

丘陵コース。打ち上げ・打ち下ろし・谷越え・池越えと変化に富んだ戦略性豊かな27ホール。愛鷹コースは1番から富士山に向かって打ち進み、6番からは富士を背に打ち下ろすホールが続く。裾野コースは1番から3番まで富士山に向かって進み、6番谷超えの打ちおろし、8番は池を正面に見て打ちおろすロングホールとなっている。

文/前田群緑、撮影/吉井裕志、動画/株式会社ジーマ、構成/宮田卓磨(GDO編集)

岩垣貴栄(いわがき・たかまさ)ティーチングプロのプロフィール

奈良県出身、PGAティーチングプロA級。2013年PGAティーチングプロアワード最優秀賞を獲得。明治大学理工学部出身の理系ゴルファーならではの論理的思考を活かしたわかりやすいレッスンで、ジュニアからシニアまで、アマチュアゴルファーの支持を集めている。

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