このコースで真の80台!

洋芝の洗礼にご用心! ホウライカントリー倶楽部(前編)

2015/10/16 09:00

難易度上位ホールできっかけをつかむ

難関4番ホールのレクチャーを受ける。N村の飛距離では右のバンカーに注意

「それにしても凄いオーバースイングですね」
1番ホールのティグラウンドで、磯さんはN村のオーバースイングに絶句。それでもこの日2回目のラウンドとなり、不安が軽減されたのだろう。オーバースイングにも安定感が増し、フェアウェイをキープできる確率が上がる。とはいえ、スコアは上向かないから不思議だ。対して、クラチャンは出だし3ホール連続バーディ。完全にゾーンに入り、彼にとってN村の存在も薄れていく(ように感じられた)。

そして、迎えた4番パー4の左ドッグレッグホール。N村は先ほどのラウンドでの「7」のリベンジに燃えていた。左サイドへ打つと密集した林でグリーンをまったく狙えない。かといって右に逃げるとアゴの高いバンカーが口を開けている。そのバンカーの手前に刻めば200ヤード以上残る。3打目勝負の作戦を選んでも、グリーンが縦長できちんと距離を合わせないと3パットの恐怖におびえることに。上級者でも叩くのも無理はない。

この4番ホール。実は、GDOスコア管理アプリで抽出したホール・バイ・ホールの難易度ランキングで2位。ホールごとの詳細については、左の表を見てもらいたい(※)。

(※)GDOスコア管理アプリは、累計50万人以上のゴルファーに愛用され、プレー中でも片手で簡単にスコア登録が操作できる。その膨大なデータの中から、2014年9月1日~2015年8月31日の1年間で、ホウライカントリー倶楽部を回った平均スコア89以下の登録者のスコアをもとに集計

洋芝では、ダウンブローは避ける

フェアウェイでも洋芝でボールは沈みがち。クラブの入射角を浅くすると抜けが良くなる

そして、ティショットはフェアウェイをとらえたものの、N村の飛距離ではホールの曲がり角まで届かない。「大切なのは、240ヤード先を狙える精度の高いティショット」。磯さんの言葉が身に染みる。そしてセカンド地点でのこと。これまで静観していた磯さんが、N村のセカンドショットを制止したのだ。何が起きたというのか!?

(クラチャン)N村さん、ティショットの調子がよくなってきたのに、セカンドショットでミスしていることを気づいていますか。
(N村)はい。アイアンの調子はイマイチみたいですね。
(クラチャン)本当にそうでしょうか。洋芝対策ができないのでは?
(N村)球が沈んだ感じに見えるので、直接球に当てないといけない。だから上からヘッドを入れようとしていたんですが……。
(クラチャン)それでは逆効果になりやすいんです。その打ち方ですと、クラブの入れ方がちょっとズレるだけで芝の抵抗が大きくなって、距離感が狂わされてしまいます。だから、池にも入れてしまいやすい。そしてダフるのがイヤだからと、次はトップ。その繰り返しになっていますよ。
(N村)では、どうやって打てばいいんですか?
(クラチャン)レベルに振ってクリーンに拾えばいいんです。まず、ボールをやや右に置く。そして大きめの番手を持って、ハーフスイングしてみましょう。ハーフスイングなら入射角が浅くなり、うまく拾えるようになりますから。
(N村)ほんとだ。きれいにボールにコンタクトできた!

こんな近くに芝目を読むヒントが!

セカンドを刻み、3打目でグリーンを狙う。スイングの良し悪しはともかく、アイアンの感触をつかんできた

セカンドショットでフェアウェイに刻み、サードショットでボギーオンに成功。だが、この日数少ないパーパットはまったく感じが出せずに2パットのボギー。「5」でとりあえずはリベンジしたものの、ファーストパットのミスが尾を引く。うなだれながらグリーンを通り抜けるN村を磯さんが呼び止め、ブッシュの植え込みを指差した。

クラチャンが謎のブッシュの正体を明かす。ライン読みの重要な情報を発していた

(クラチャン)N村さん、あれが何だか知っていますか。グリーンに乗るとき、まったく見ていないようですが……。
(N村)ブッシュですよね。入れたら、大変だ……。
(クラチャン)いやいや違います。あれは「芝目はこの方向から流れている」という目印なんです。
(N村)えええっ!? 知りませんでした。何かおかしいと思っていたんですよ。たとえば、池に向かって芝目があるはず、と思ってラインを読んだのに、逆に切れたりしていましたから。
(クラチャン)ふふふ……。ホウライカントリー倶楽部はそうとは限らない。だから難しいんですよ。(グリーン右奥を指差し)そして、この4番ホールはあれが目印。
(N村)じゃあ、右奥からの傾斜ということですね。迷う必要なんてなかったんだ!

4番ホールで洋芝対策とグリーンの読み方を理解したN村は、その後の5ホールでアイアンショットが安定し、先のラウンドで5回も記録してしまった3パットもしなくなった。そして、ハーフを初めて40台で回る。

「クラチャンも人が悪いな(笑)。もっと早く教えてくれれば良かったのに……。この調子でうまくハマってくれれば、80台いけるんじゃないの!?」

そう浮つくN村は、まだ気づいていない。先ほど2度のダブルパーを出してしまったINコースにこそ、本物の魔物が棲んでいることを。次回、N村の挑戦は最終局面に。
(取材協力/ホウライカントリー倶楽部

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