このコースで真の80台!

“捨てサイド”をつくれば、ハザードも怖くない! ゴルフ5カントリー オークビレッヂ(後編)

2015/11/27 09:00

左足下がりを制する者に、コースは微笑む

「ゴルフ5カントリー オークビレッヂ」の洗礼を受けるN村。一人でのラウンドでの18番ホール。傾斜が強いグリーンでパットが外に飛び出しそうになるなど、4パットを費やす

(前回までのあらすじ)
スコア90台で伸び悩むGDO編集部員・N村(40代・独身)が80台を目指し、難コースに挑む。同じ悩みを持つゴルファーに対する応援企画だが、あえて高い壁を越えようとするのは、上級者からもそのスコアの価値を認めてもらうためだ。

とはいえ、難コース中の難コースであるゴルフ5カントリー オークビレッヂ(旧・オークビレッヂゴルフクラブ)へのチャレンジは無謀過ぎたか。スコア110であえなく打ちのめされた。

比嘉プロのアドバイスを受けてスコアを立て直す。「サイモンメモ」を取り出すほど、多少の余裕は出たか

N村はコース所属の比嘉強プロに頼み込んで、リベンジの機会を得る。心強いパートナーのサポートを受けながら、2度目のOUTコースのラウンドを40台ぎりぎりで切り抜けたのだった。

改善の兆しを見せた理由を言うなら、2つあるだろうか。まず、「刻み」を使ったマネジメントの習得。苦手のフェアウェイウッドやユーティリティで散々傷口を広げてきたN村が、比嘉プロから“一歩引く”ことを学んだのだ。

15番ホールは距離があるうえに、右サイドがOB、左サイドは池が広がる。ティショットから気が抜けない

そして、もう1つの理由がスイングの修正。比嘉プロはN村自慢(!?)のオーバースイングにメスを入れる。不慣れながらコンパクトなトップを手に入れたN村が、何とかコース内におさまる程度までショットのブレ幅を改善させたからだ。

だが、当の本人は満足感が得られない。スイングは徐々にアップデートされつつあるのに、一瞬にして“初期化”されかねない危うい状況が続く。それを比嘉プロがうまくなだめながら、INコース最初のヤマ場、15番ホールに到着する。

INコースのヤマ場は難易度上位の15番と18番。先のラウンドでN村はともにダブルパー「8」を叩いた

GDOスコア管理アプリで抽出したホール・バイ・ホールの難易度ランキングでは3位(※)。ティグラウンドに立てば、その難しさは一目瞭然。深い森が続く右サイドはOB、左サイドは池。このように逃げ場がないホールが多いのも、ゴルフ5カントリー オークビレッヂが最高級の難易度を誇る理由である。

(※)GDOスコア管理アプリは、累計50万人以上のゴルファーに愛用され、プレー中でも片手で簡単にスコア登録が操作できる。その膨大なデータの中から、2014年9月1日~2015年8月31日の1年間で、ゴルフ5カントリー オークビレッヂを回った平均スコア89以下の登録者のスコアをもとに集計

精度の高いティショットを打つために、スタンスの向きは重要。 ※クラブをスタンスに揃えるのは演出上のことです。このまま打つ行為は違反です

ティグラウンドでモジモジとうろたえるN村に、比嘉プロがしびれを切らして近寄ってきた。

(比嘉プロ)なかなかティアップしませんね。
(N村)先ほどは1打目を右にOBして、打ち直しを今度は左の池に入れて、ダブルパーでしたからね。いったい、どこを狙っていいのやら。
(比嘉プロ)こういう場合は、右も左もダメだと思わないことです。真っすぐ打つしかないなんて自分を追い込まずに、どちらかの方向に許容範囲を設定するようにしてください。
(N村)OBならティから打ち直し。池ならペナルティを払えば、入った地点の近くから打つことができる。つまり、この場合は曲げるなら左、ということですね。
(比嘉プロ)その通りです。N村さんは右を向く傾向があるので、スタンス向きを確認してから打ってみましょう。あっ、右を向いている! そんなこと言って、池も怖がっているじゃないですか。

意を決して左サイドにターゲットを定めた……はずのN村だったが、テークバックで再び恐怖にさらされると、それを振り払うかのようなオーバースイングが復活。頭を抱えると比嘉プロをよそに、持ち球の弱々しいスライス弾道がフェアウェイをとらえる。これって、結果オーライ!?

セカンド地点は傾斜の強い左足下がりで、距離も残る難しい状況。にもかかわらず、比嘉プロからの指示は刻みではなかった

2打目地点に来ると、逆光の影響もあり、グリーンが遥か遠くに見える。200ヤード近くはあるだろう。しかも、左足下がりの強い傾斜。「刻み」のマネジメントを学ばなくても、短いクラブを持ちたくなる。だが、比嘉プロの考えは違った。

(比嘉プロ)N村さん、ユーティリティ(ロフト角19度)で狙ってみてください。
(N村)えっ、この場面こそ、刻みではないんですか。距離もそうですが、左足下がりの傾斜が急で、すごく難しいライなんですけれど。
(比嘉プロ)このコースの最大の特徴は、左足下がりのライが多いことなんです。しかも長いクラブで狙えないとスコアが出せない。N村さんに、少しでもそのレベルに近づいてもらいたいんです。短い時間とはいえ、その準備をしてきたわけですから。
(N村)???……。何のことを言っているのでしょうか。
(比嘉プロ)スイングをコンパクトにしてきたじゃないですか。これもすべて、この状況に備えるためでした。左足下がり傾斜のショットは、球を上げようとして腰を伸び上がらせないことが大切。そのためには傾斜なりに立ち、そのまま腰のラインと並行して体を回転させることがポイントです。ボール位置は私は通常と変えません。左足内側寄りに置きます。クラブは斜面に沿って動かすため、スイング軌道のブレは極力避けたいのでコンパクトに振ったほうがいいわけです。また、手首のコックがほどけづらくなるので、ダフらずきれいに球をとらえられるはずですよ。

まさか、スイング改造にそんな思いが込められていたとは……。比嘉プロの気持ちに応えるために、できる限りコンパクトなトップを心がける。すると、今度は薄いインパクトでトップ気味に飛び出し、グリーン左手前の崖を避けるように強烈なスライスでグリーン右手前に。そこからアプローチをミスして、3オン3パットの「6」。それでも、刻み一辺倒からの脱却を素直に喜びたい。

左足下がり傾斜のライ。しかも距離が残りやすく、ユーティリティでのショットの精度を上げることが、ゴルフ5カントリー オークビレッヂを攻略するポイント。実際にその打ち方を見てみたいという方は、左上の動画に注目! 比嘉プロがそのショットを再現してくれたので、ぜひチェックしよう。

ロングパットは、打つ距離のストロークに専念する≫
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