「朝イチのティショットは『音』に集中!?」 メンタル編vol.1
コンペの朝、平常心でいるには…!?
コンペのティショット1発目は、誰でも多かれ少なかれ緊張するもの。初顔合わせの人と同じ組になったり、後続者の視線が集中していたりと、普段のスイングができない状況に追い込まれる。こんなとき、どうしたらよいのか? 多くのツアープロやアマチュアゴルファーを教えているストラテジー(戦略)コーチ・松本進さんに、朝イチのティショットを成功させるための考え方を教えていただいた。
(以下、松本さん解説)
敵は「見栄」と「過度な期待」!
「緊張を解く方法をお教えする前に、まずは実際に朝イチショット前に感じることを振り返ってください。『他人に上手くないと思われるのが嫌!』『そんな腕前ですか~と冷たい視線を浴びるのが嫌!』、あるいは『直前の猛練習で好調だったし、ここはバッチリ決めてやろう!』など。
客観視できていれば…
下手なショットは打ちたくない。いつもの自分よりもより良い自分を見せたい。あるいは自分の腕前を棚に上げた過度の期待。もし『いまの自分はそんな感情になっているんだな』と客観的に見られたなら、それだけでも酷い緊張状態には陥らなかったはずなのです。フツフツ湧き上がる感情と、頭で冷静に客観視することとは両立しないからです。
上手く見せる必要ある??
朝イチショットでチョロやOB一直線、別にいいじゃないですか。他人の視線が気になり緊張してしまうということは、他人に上手く見せられないと何か都合が悪いと思っているからです。ですが、会社の同僚や仲間に下手と思われても、仕事上で大きく不都合になることはありません。それより自分のレベルを自覚し、大きなミスをなるべく避け、如何に上手く組み立てるかを考えるほうが素敵なゴルファーと見られるのではないでしょうか。
そのティショットは100分の1? 90分の1?
スコア100くらいのレベルなら、朝イチのティショットなんて100分の1のことです。90くらいの腕前ならたった90分の1の出来事。スタートホールの1発目にミスが出たって、そんなに悲劇的な状況ではないでしょう。直前の練習で好調でも、本番で激不調になることは日常茶飯事。ミスを恐れず、いまの自分の腕前を包み隠さず全部見せちゃいますよ! くらいの勢いでよいのです。そのような気持ちで臨めば、朝イチのティショットで必要以上に緊張することはないはずです。
「ビュン!」と音をならすことに集中
自分の腕前と等身大で向き合っても冷静になれない場合は、全く別のことにフォーカスすることです。人目や自分への期待など、防ぎきれない感情の波が押し寄せてくる中で、体は素直に反応してしまいます。筋肉は強張ってガッチガチ。アンドロイドみたいなぎこちないスイングになってしまうでしょう。
「ヘッドの音」のみ意識する!
そんなときは、クラブヘッドを「ビュン!」と音を鳴らして振り抜くことだけを意識しましょう。アベレージゴルファーの朝イチショットの多くは、振り遅れが原因になります。とにかくヘッドを「ビュン!」と鳴らして振ることだけを考えると、振り遅れはなくなるものです。素振りで何回か「ビュンビュン」鳴らしてから、アドレスに入りましょう。
100前後の月イチゴルファーだけではなく、プロだって同じように緊張します。その違いは自分の技術を自覚し、その中で組み立てる方法に長けていること。またメンタル的な動揺を克服する術を知っているか否かなのです。実はそれが上達の秘訣でもあります」。