トーナメントの地からリゾートへ 静ヒルズCCが描く未来

ゴルフ日和「静ヒルズカントリークラブ」
ステップアップツアーの会場でもある

JR水戸駅(茨城県)から北に車で30分ほど、静ヒルズカントリークラブはゴルフファンにはおなじみのコースだ。2021年「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」や隔年で女子下部のステップアップツアーを開催しているほか、何度も女子プロテストの会場となっている。水戸駅から西に30分に位置する宍戸ヒルズカントリークラブも同じ森ビルグループの運営だが、両者は全く違ったコンセプトでそれぞれの魅力を発信している。

ゴルフ日和「静ヒルズカントリークラブ」
ティーチングプロの資格を持つ森ビルゴルフリゾートの林祐樹常務取締役

「宍戸ヒルズは男子の国内メジャー『BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ』を長年開催していて、トーナメントコースとしての格を重んじているのに対し、静ヒルズは景色や敷地を生かしたリゾートとしてのゴルフ場を目指しています」。こう話すのは日本プロゴルフ協会(PGA)のティーチング資格を持つ森ビルゴルフリゾートの林祐樹常務取締役。東京のオフィスと両コースを行き来して、新たなゴルフ場の活用法を企画、実践している。

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静ヒルズはいち早くワーケーションプランを打ち出したゴルフ場のひとつだ。林常務は「どこまで正直にお話ししていいのか迷いますが…」と苦笑いしつつ、導入のきっかけを明かす。「多くの方が経験したと思いますが、コロナ禍でさまざまな仕事がストップしてしまったので、PGAのティーチングの試合に出てみようと思ったんです。2020年の夏は静ヒルズで、朝から練習、9時から5時まで仕事をして、夕方に少しコースでプレーする。私自身がそうして過ごしているうちに、これはプランとして提供できると気づきました」

ゴルフ日和「静ヒルズカントリークラブ」
ワーケーション向けの一室。ワークチェアやモニターが導入されている

併設のホテルには都内のオフィスビルと同レベルのセキュリティを誇る高速のWiFi環境が整っており、リモート会議なども問題なくこなせる。プランは2泊3日で3万3000円(1泊追加ごとにプラス1万1000円)。これには1日9ホールのプレー、パッティング、アプローチ、ドライビングレンジの練習施設に加え、9ホールのパー3コースの使い放題が付いてくる。パー3コースはナイター設備を完備しており、午後8時までプレーできるとあって、仕事をする暇がないほどの充実ぶりだ。

また、ゴルフとキャンプを楽しめる「ゴルキャン」プランも人気。「男性社員と2人で星空を眺めに来ました」とこちらも林常務の実体験から生まれた企画だ。17番ホールの池のほとりにあるスペースにテントを設営し、本格的なキャンプが体験できる。やはりPGA会員で静ヒルズのホテル・リゾート推進事業部・入江亜衣リーダーは自らテントの設営なども担当。「アルバイトの地元のおじちゃんやキャディさんたちと一緒にテントを建てています。何度もいらっしゃる常連さんも増えています」。セットでホテルの部屋も抑えられているのもポイント。BBQや焚火で存分にキャンプ気分を味わって、宿泊はホテルといったことも可能だ。

ゴルフ日和「静ヒルズカントリークラブ」
コンベンションルームなど、さまざまなイベントに対応可能な施設が揃う

いずれも個人向けのプランだが、これらの施設を企業研修など、法人に対しても提供。「リモートワークなどで職場の人間関係が希薄になっているなかで、一緒にテントを建て、そこでミーティングをして、チームワークを再構築する、そんな形で利用してもらっています」。コース以外にも広大な敷地、ホテルにはコンベンションルームやカフェを備えており、100人単位の研修にも対応。年間で1000人以上がキャンピングオフィスで静ヒルズを訪れている。

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コースを監修した中嶋常幸が主宰する「トミーアカデミー」の合宿地というのは静ヒルズが持つもう一つの顔。畑岡奈紗蛭田みな美河本力らがジュニア時代にここで腕を磨き、巣立っていった。アカデミー以外でもジュニアの利用が多く、林常務は「週末は子どもたちで運動会みたいになっていることもあります」と笑みを浮かべる。「次世代を育むというのが会社のコンセプトなので、そこに合致したものには積極的にコースをお貸ししています」。メンバーがその姿勢に理解を示しているからこそ、それが実現できているのだろう。

ゴルフ日和「静ヒルズカントリークラブ」
ワーケーションプランならナイター設備を備えたショートコースを回り放題

各ホールには6つのティイングエリアがあり、どこからプレーするかでトーナメントコース、アマチュアが楽しむリゾートコースにもなる。静ヒルズはそんなコースの特徴に合わせるように、ゴルファーにさまざまなゴルフの楽しみ方、いやゴルフ場の楽しみ方、使い方を提案している。ここから新たなスタイルが全国に広がり、定着する日も遠くはなさそうだ。

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