Lesson.2 プロのスイングを真似するな!
腕は振りません!
「振る」イメージを「振られる」イメージに大転換する第2回目。今回のテーマは、プロのスイングを真似するな!です。誤解のないように言えば、自分が見た印象のままを真似しようとしないこと!
特に、スイングの連続写真は、ものすごく誤解を招きやすいので要注意。こんな風にフォローだけを切り取って見ると、腕を積極的に振っているように見えてしまいますよね。では、腕を「振る」イメージがあると、スイングはどんな風に乱れてしまうのでしょうか?
腕で振るほど腕が戻らなくなる
腕を「振る」ほど、インパクトでクラブが戻らなくなります。まず、テークバックでは体の回転を伴わず、腕だけでクラブを上げてしまいます。ここで生じたズレが致命的。テークバックで体の回転よりも先行してしまった腕を、インパクトで正しく戻すのは至難の業だからです。
写真のように、ダウンスイングでも腕は体の回転とズレたまま…。クラブヘッドが戻らず、ボールから遠ざかり、フェースが開いたままインパクトを迎えてしまうのです。初心者の方の空振りや、スライスから全然抜け出せない人は、腕だけで振ってしまった結果です。俗に言われる「振り遅れ」です。
腕を返して取り戻す?
日本では「振り遅れ」という言葉が定着していますが、実は米国ではそのような状態に該当する言葉は見当たりません。こうした言葉があるから、「振り遅れる」ならもっと腕を振ろう!積極的に腕を返してボールを掴まえよう!という風にして、さらなる泥沼へとハマっていくのです。
振り遅れた状態から、しっかりインパクトするためには、きっとこんな風に体の回転と反対方向にグリップを逆走させなければいけません。最近、こうした新理論も見かけますが、米国人ゴルファーにこの話をしたら、ナンセンスだと一笑されました。実際、インパクトの直前でグリップだけを逆走させるなど、どう考えても不可能なことですよね。
プロは胸の回転に腕が振られているだけ
プロの連続写真を見ていると、ここで腕をこう切り返して、こんな風に腕にタメができて、ここから腕がターンしてなどと、あたかも能動的に腕を「振る」イメージになりがちです。しかし、後付けの理屈で結果的にそう見えてしまうだけであって、実際は胸の回転に、ただただ腕は「振られて」いるだけなんです。
私の中の感覚では、腕はいつも胸の正面に固定されているようなイメージで振っています。写真は腕を振っているようにも見えるフォローですが、胸の正面に腕とクラブがあることに注目してください。
胸を回す小さなスイングからイメージ転換
胸の回転につられて、腕は受動的にただ振られるだけ。そんなイメージに転換するため、腕はアドレスと同じ状態のまま胸の前に固定し、胸の回転だけで打ってみてください。まずは小さなスイングから始めて、そのイメージを保ったまま、徐々に胸の回転を大きくしていき、フルスイングへとつなげていくのです。
腕で速く振っても飛びません!
もう一つ補足として、理解して欲しいのは、腕だけで頑張って速く振っても安定した飛距離アップにはつながらないということです。逆に、腕を速く振ろうと努めるほど、どんどん飛ばなくなります。
ヘッドスピードが45m/s以上あっても、飛距離は200ヤード程度という人も珍しくありません。腕だけで速く振ろうと努めればヘッドスピードは確かに上がるでしょうが、見るべきところはヘッドスピードではなく、ミートしたボールの初速です。腕を使って振っている限り、ミート率は上がりませんよ!
【動画】Lesson2 腕は振らずにスイング
腕を振る意識は捨てて、胸の回転で打ってみましょう!