<プラス1>「肘の痛み」放っておいて大丈夫?正しい対処法教えます
プレー後の身体の痛みを、大したことはないと思って放置していませんか?今回はゴルフで起こりうる肘の痛みやけがについて解説します。
ゴルフで起こりうる肘の痛みやけが
スイング時にグリップを強く握り過ぎると、手首・肘・肩・肩甲骨・首の筋肉・関節が硬くなってしまいます。腕に力が入ってしまうと「手打ち」になり、そのスイングを続けることにより、腱や筋肉の付着部で炎症が起こり、痛みとなります。
右利きのゴルファーの場合、右肘の内側または左肘の外側に痛みを訴えるケースが多いです。痛みは肘の内側の骨が出っ張ったあたりの「上腕骨内側上顆(じょうわんこつないそくじょうか)」と、そこから手の方向に1センチくらいの部分で起こります。あるいは左腕の肘の外側、握りこぶしをしたときに筋肉が膨れるあたりの「上腕骨外側上顆(じょうわんこつがいそくじょうか)」)に痛みを感じます。
また肘のみならず、手首や親指の付け根に痛みを訴える方もいらっしゃいます。
病院に行くべき?セルフチェック方法
日常生活でよく動かす腕に痛みの症状があると、気になるものです。特に次の動きを行った際の肘の痛みが1カ月以上続く場合は、整形外科や整骨院へのご相談をお勧めします。
受診すべきタイミングは?
ゴルフによる肘の痛みが原因で、将来肘が動かなくなったり、関節の重篤な変形が生じる可能性は低いでしょう。そのため痛みが出てすぐのタイミングで医療機関を受診するほどの緊急性はあまりないと思います。
とはいえ日常生活で重い荷物を持ったり、電車のつり革をつかんだり、物を握ったときなどに痛みを感じてしまいます。
肘の痛みは運動の後~2日目くらいで症状が現れます。その後、3~5日間ほど痛みが続き、徐々に軽減されます。まだ痛みのあるうちにさらにプレーをしてしまうと、痛みが長引くことがあります。
まずはプレーや練習、クラブを振ることを2、3週間中止しましょう。それでも症状が変わらない場合には、整形外科や整骨院での受診をお勧めします。
クラブを握らずに2、3週間経過すると、肘の痛みは和らいでくるでしょう。しかし和らいだからといって、また同じフォームや握り方でスイングをすると、再度痛めてしまいます。肘の痛みの根本的な改善には、スイングフォームを修正することが必要です。
次回は、肘が痛いときのセルフケア方法をご紹介します!
(協力/株式会社ケアくる)
■ 齋木 拓(さいき・たく) プロフィール
鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師/日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
スポーツ整形外科、会員制スパ&フィットネスクラブ等で治療や運動指導の経験を積む。アスリートからスポーツ愛好家まで、幅広い年齢層への治療やリハビリテーションを通じて、日常生活やスポーツ競技への復帰をサポートしている。 痛みや不調に合わせ「より効率的な身体の使い方」ができるよう、治療とエクササイズを組み合わせた、総合的なコンディショニングを得意とする。現在は治療活動の傍ら、IT企業で従業員のパフォーマンスアップのためエクササイズ・トレーニング指導を行っている。https://carecle.com/detail/201 クリニックオフィシャルサイト:http://www.loople.jp/