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肩こりと四十肩・五十肩は別物? 痛みの解説と予防エクササイズ

2020/05/07 17:03
肩こってるな~(提供:ぱくたそ、model by OZPA)

ふとした時に肩の痛みを感じたり、肩の可動域が狭くなったなど、ゴルフのプレー中や日常生活で身に覚えはありませんか? 今回は意外に誤解されやすい「肩こり」や「四十肩・五十肩」の解説と、予防エクササイズをご紹介します。

肩こりとは?

肩こりは、主に肩周りの筋肉の血行が悪くなることで起こります。姿勢の悪さや筋力の低下により、筋肉が硬くなった状態が大きな要因です。

個人差はありますが、成人の両腕の重さはおよそ6kgあり、生後3カ月の赤ちゃんの体重とほぼ同じくらい。この重さを支えているのが、肩周りの筋肉です。

デスクワーク(提供:ぱくたそ、photo by すしぱく)

近年では、デスクワークやスマートフォン操作の時間が増え、肩周りの筋肉を積極的に動かすことが少なくなってきました。

また、同じ姿勢を長時間続けることで筋肉が緊張状態となり、筋肉が硬くなってしまったり、筋力の低下を招いてしまうのです。

四十肩・五十肩とは?

肩こりは、重だるい感じや肩を動かしたくなるような症状ですが、四十肩・五十肩は異なります。主な症状としては「腕を楽に上げられない」や、就寝時に痛みが出る「夜間痛」などが挙げられます。

また、四十肩・五十肩の疾患名は「肩関節周囲炎」と言い、肩関節の周囲にある組織で炎症が起きている状態です。

特に40~50代の方に多くみられ、症状はさまざまです。

本来であれば、肩より上に腕を伸ばすことができます。四十肩・五十肩になると、肩関節の動きが大幅に妨げられ、腕が上がりにくくなります。

腕が上がらない…(提供:写真AC、クリエイター:FineGraphicsさん)

自然に痛みが和らぐこともありますが、放置すると日常生活が不自由になるばかりでなく、組織が癒着して、肩の可動域が狭くなることもあります。

痛みや違和感を覚えたら、整形外科や整骨院・鍼灸院での受診をお勧めします。

肩を痛めないための予防エクササイズ

肩甲骨が動かないことが原因で起こる痛みを予防するには、まず、動かせる状態を維持できるよう日々意識しましょう。

空いた時間にできるフェイスタオルを使ったエクササイズです。

自宅でエクササイズ!(提供:ケアくる)

1:フェイスタオルの端を持ち、頭上に腕を伸ばします。

2:肩甲骨を内側に寄せるように、腕を引き下ろします。

3:腕の曲げ伸ばしを10回繰り返します。

タオルを持つ幅を狭くすると、肩甲骨周りや胸部の筋肉を、よりストレッチすることができます。

最低でも1日1セットを心がけましょう。胸を張る姿勢をつくりやすくなるので、肩こり解消や四十肩・五十肩の予防、テレワークでの肩や首の疲れ解消にも効果的です。

(協力:ケアくる

■ 齋木 拓(さいき・たく) プロフィール

鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師/日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
スポーツ整形外科、会員制スパ&フィットネスクラブ等で治療や運動指導の経験を積む。アスリートからスポーツ愛好家まで、幅広い年齢層への治療やリハビリテーションを通じて、日常生活やスポーツ競技への復帰をサポートしている。 痛みや不調に合わせ「より効率的な身体の使い方」ができるよう、鍼灸の東洋医学的視点からセルフケアやエクササイズ、食事にまで及ぶ総合的なコンディショニングを身上とする。https://carecle.com/detail/201 クリニックオフィシャルサイト:http://www.loople.jp/