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「秋のむくみ」を予防するには?

2020/09/17 13:00
いつまでも元気にゴルフを楽しみたいですよね(提供:ぱくたそ、model by 川子芹菜)

残暑もようやく和らぎ、秋の訪れを感じるこの時期。季節の変わり目に、体のむくみが気になるという方も多いのではないでしょうか?

日中はまだ気温が高いため、一日中冷房の風に当たっていたり、冷たいものばかり摂取するなど体を冷やす生活習慣を続けているかもしれません。

「秋のむくみ」は血行不良によって引き起こされます。夏の習慣を見直し、むくみの予防法を学びましょう。

むくみの仕組み

むくみは、血管から染み出た水分が皮下脂肪に過剰にたまった状態のことをいいます。この水分は通常、各細胞に酸素や栄養素を運び、二酸化炭素や老廃物を血管に戻す働きを担っています。

しかし血行不良になると、水分が血管に戻ることができず、細胞と細胞の間にたまってしまいます。これがむくみとして体に表れます。

どうして「むくみ」が起こるのでしょう?

体の中で、むくみが最も起こりやすいのは足です。心臓から遠い位置にあるため、血行不良になりやすく、重力の影響で水分が足にたまりやすくなります。靴下の跡がつく、革靴やパンプスを履いたときに窮屈さを感じる、というのはこのためです。

冷房や座りっぱなしは大敵

冷房の風や、朝晩の冷えた空気は足元にたまります。内くるぶしの付近は主要な血管が通っており、この部分が冷えると内臓や全身の冷えにつながり、むくみが出やすくなります。

特に女性は、筋肉量やホルモンバランスの影響で、足がむくみやすいと言われています。

また、座りっぱなしや立ちっぱなしなど、長時間同じ姿勢でいることで血行不良が起き、足のむくみがひどくなることがあります。特にデスクワーク中は、定期的に立ち上がって動くことを習慣にしましょう。

ふくらはぎは「第二の心臓」

心臓は、全身に血液を送り出すポンプの役割がありますが、ふくらはぎにも心臓へ血液を送り出すポンプ作用があります。ふくらはぎの筋肉を動かすことで、血液とともに足にたまった水分を心臓に戻す重要な機能です。

血液を送り出します(提供:写真AC、クリエーター:FineGraphicsさん)

しかし長時間同じ姿勢でいると、ふくらはぎのポンプ作用が機能せず、足に血液や水分がたまったままになります。

そのため、以前紹介した足首を上下に動かすエクササイズや足の指を広げる&伸ばすエクササイズを実践しましょう。

塩分の取りすぎに注意

むくみ予防には、「塩分」を取りすぎないことが重要です。

たとえば、汗をあまりかいていないのに、塩分や糖分を多く含むスポーツドリンクを飲みすぎると、体内の塩分濃度が高くなってしまいます。体はこの濃度を元に戻そうとして水分をため込んでしまうのです。

海藻サラダはいかが?(提供:写真AC、クリエーター:月舟さん)

そこで摂取したいのが、体内の余分な水分を排出してくれる「カリウム」です。海藻や納豆、きゅうり、バナナなどに多く含まれています。

季節の変わり目に表れやすいむくみですが、慢性的な手足以外のむくみなど、通常とは異なる症状の場合は、腎機能や循環器系、甲状腺の不調が原因かもしれません。内科や血管外科で診察を受けることをおすすめします。

(協力/ケアくる

■ 齋木 拓(さいき・たく) プロフィール

鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師/日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
スポーツ整形外科、会員制スパ&フィットネスクラブ等で治療や運動指導の経験を積む。アスリートからスポーツ愛好家まで、幅広い年齢層への治療やリハビリテーションを通じて、日常生活やスポーツ競技への復帰をサポートしている。 痛みや不調に合わせ「より効率的な身体の使い方」ができるよう、鍼灸の東洋医学的視点からセルフケアやエクササイズ、食事にまで及ぶ総合的なコンディショニングを身上とする。https://carecle.com/detail/201 クリニックオフィシャルサイト:http://www.loople.jp/