20代の頃のように飛ばしたい! クラブ1本でできる可動域を広げるストレッチ 松森杏佳
「加齢とともに飛距離ダウンしてきた悩み」をレスキュー♪
【アマチュアゴルファーIさんの悩み】
「現在還暦を迎えた年齢ですが、年を重ねる度にトップが小さくなったと感じます。若い頃のような飛距離を取り戻すには、どんな準備法がありますか?」
【松森杏佳のレスキュー回答】
年齢を重ねるごとに体の可動域が狭くなり、トップの大きさが変わってしまうことはよくあること。振り幅が変わるとスイングリズムにも大きく影響を及ぼすので、今まで通りに振っているつもりでもミスが増えてしまいます。今回は、大きなトップを作るために、クラブ1本でできるお手軽なストレッチ法をご紹介します。
1. 頭の後ろでひじ曲げ上下運動
まずは肩と胸周りの可動域を広げるストレッチから。両手を肩幅より広くしてクラブの両端を握り、腕を曲げて背中側に下ろします。下ろし終わってから、腕を伸ばす上下運動を繰り返します。下ろす際は胸を張り、肩甲骨を中央に寄せる意識を持つことで、胸椎(きょうつい:背中にあたる背骨の一部)を伸ばす効果があります。
2. バンザイ状態で上体を左右に傾ける
両手でクラブを握って腕を伸ばした状態から、今度は上体を左右に倒します。体幹を横方向に曲げたり捻(ひね)る動きに使われる外腹斜筋(がいふくしゃきん:腹部の側面に位置する筋肉)を伸ばす効果が期待できます。
3. 右ひじを背後に倒す
次にグリップエンドを右手で持った状態でひじを肩の高さに上げ、90度曲げた状態でひじを後ろ(背中)方向へ倒します。ヘッド側を左手で押さえ、てこの原理を使って無理なく右手を倒すように持ち上げます。ひじの可動域を広げておくことで、どんな状況でも理想のトップ位置を作る柔軟性を持つことができます。
4. 肩でクラブを担いでシャドースイング
最後は両肩でクラブを担ぎ、スイングの要領で上体を左右に回転させます。ポイントは下半身を動かさず、背中が完全に飛球線方向を向くようにシャフトを90度近くまで傾けること。右ひざの位置をキープしたまま右股関節に体重を乗せていくと、捻転差を自然と生み出すことができます。
【今回のまとめ】ストレッチはクラブ1本で十分!
・頭の後ろでひじ曲げ上下運動。
・バンザイ状態で上体を左右に傾ける。
・右ひじを背後に倒す。
・肩でクラブを担いでシャドースイング。
取材協力/木更津ゴルフクラブ
■ 松森杏佳(まつもり・きょうか) プロフィール
1995年生まれ、東京都出身。姉・彩夏の影響で5歳でクラブを握り、2016年からレギュラーツアーに参戦。「フジサンケイレディス」では17、18年と2年連続で3位に入った。現在はLPGAティーチングプロ資格取得を目指し、芝浦にある「Link Performance Studio」にてレッスン活動を行う。自らプロデュースするゴルフウェアのアパレルブランド「Spatty cot.」も展開中。
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