「打ち込む」「叩く」「乗せる」…アイアンの当たりを分厚くするイメージ、正解は！？ 堀奈津佳

「アイアンが薄い当たりになってしまう人」をレスキュー♪

【アマチュアゴルファーMさんの悩み】
「アイアンショットでいつもインパクトの当たりが薄く、思い通りの飛距離が出ません…。SNSのショート動画で、フェース面でボールを“叩く”イメージが良いと見かけたのですが、実際に分厚く当てるためには、どのようなイメージが良いのでしょうか？」

【堀奈津佳のレスキュー回答】
インパクト時のイメージは、プレーヤーによって異なりますが、言葉の意味をそのまま再現しようとすると、かえって悪影響につながることがあります。私の考えでは、“叩く”は半分正解で半分不正解。間違いではありませんが、分厚いインパクトを安定して再現するにはやや不十分だと感じます。今回は、私が考える再現性の高いインパクトイメージをお教えします。

1. 当たりが薄い原因はクラブ軌道と入射角

アイアンのインパクトを分厚くするには、クラブ軌道と入射角が大きく影響します。当たりが薄くなる主な原因は、インパクトでクラブが寝てフェースが開くこと。また、軌道がアウトサイドから入り、入射角が鋭角になるケースも同様です。ダウンスイングでは手元を真下へ下ろすイメージで、ヘッドがインサイドから下りてくれば、長いインパクトゾーンで“点”ではなく“線”でボールをとらえやすくなります。

2.「打ち込む」より横から「叩く」

インパクトが“線”ではなく“点”になるミスとして、ダウンブローに打つために「打ち込む」べきと指導されることが多いと思いますが、打ち込む意識が強すぎると入射角が鋭くなり、“点”になりやすいデメリットが生じます。「叩く」はその逆で、ボールを横から叩くイメージを持つと、軌道がやや横振りになる。縦振りすぎず、横振りすぎない――入射角が適度に緩やかになるスイングになります。

3. ボールを「乗せる」ようにフォローを取る

「叩く」のデメリットは前傾角度を保ちにくい点です。「叩こう」と意識すると右腕に力が入り、前傾が起きやすくなります。おすすめは、インパクトからフォローでフェースにボールを「乗せる」イメージ。ヘッドを低く長く動かし、フェース面をやや緩やかに上に向けることで、上体でボールを上げる意識を抑え、前傾を維持しやすくなります。これにより「叩く」要素を残しつつ、大きなフォローで分厚いインパクトに近づけます。

【今回のまとめ】言葉の雰囲気でインパクトは変わる！

・当たりが薄い原因はクラブ軌道と入射角。
・「打ち込む」より横から「叩く」。
・ボールを「乗せる」ようにフォローを取る。

取材協力／上総モナークカントリークラブ