ブランドも番号も同じ!どちらのボールかが分からない/ルールQ&A
2人ともフェアウェイの真ん中をとらえたが、お互いのボールは至近距離に。よく見るとブランドも番号も同じ。どちらのボールか見分けがつかない…。ぐずぐずしていると3分経ってしまう。こんな場合のルーリングは?
ボールにマークしておけば防げたのに…
■1
じゃんけんかコインの裏表でボールを決める。
■2
3分以内に見分けられないと、紛失球で1罰打。前打地点から打ち直し。
■3
3分以内に見分けられないと、紛失球で2罰打。前打地点から打ち直し。
ちょっと汚れているほうが自分のほうに見えるけど、定かじゃない。んー、困った。
◇◇◇◇
正解は「2」
■2
3分以内に見分けられないと、紛失球で1罰打。前打地点から打ち直し。
【解説】
「コインの裏表で決める」なんていうのはナシ。どちらが誰のボールか3分以内に見分けられないと、ロストボール=紛失球で2人とも1罰打に。前打地点に戻ってドロップ、前打地点がティイングエリアならティアップして打ち直しとなります(規則18.2)。
以上はプロや競技ゴルフの処置ですが、2019年の改正でアマチュアのプレジャーゴルフでは上記の処置に選択肢が1つ増えました。2罰打を受け、(ボール横の)フェアウェイから2クラブレングス以内にドロップしてプレーできるようになりました(ローカルルールE-5)。暫定球を打っていない場合限定ですが、OBや紛失球でも前打地点に戻らず、スピーディなプレーが選べるようになったんですね。
そもそもは、紛失球防止のためボールにマジックなどで印をつけ、「マイボール」と一目で分かるようにしておきましょう(R6.3a)。(ルール解説&イラスト/小山混)
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<ゴルフ規則>(抜粋)
規則18.2a
球が紛失またはアウトオブバウンズとなる場合
(1)球が紛失となる場合。プレーヤーまたはそのキャディが球を捜し始めてから3分以内に見つけることができなければ、その球は紛失となる。球がその時間内に見つかったが、それがプレーヤーの球であるかどうかはっきりしない場合:
・プレーヤーは速やかにその球の確認(規則7.2参照)をしようとしなければならず、3分の球の捜索時間が終わった後であっても確認をするための合理的な時間が認められる。プレーヤーが合理的な時間内に球を自分の球と確認できない場合、その球は紛失となる。
ローカルルールE-5
紛失球やアウトオブバウンズの球についてストロークと距離に代わる選択肢
目的/暫定球をプレーしなかった場合、アウトオブバウンズの球や見つからなかった球についてストロークと距離の救済を受ける必要があるプレーヤーは、プレーのペースについて著しい問題が生じる結果となることがあります。このローカルルールの目的は、直前のストロークを行った場所に戻らずにプレー ヤーがプレーを続けることができるようにする追加の救済の選択肢を委員会が規定することを認めることです。このローカルルールはゴルファーがカジュアルラウンドや仲間内のコンペでプレーする一般的なプレーに適しています。このローカルルールは高い技量を持つプレーヤーに限定された競技会(つまり、プロフェッショナルやエリートアマチュアの競技会)には妥当ではありません。 ー中略ー 委員会がそうしたローカルルールを一般的なプレーでは使い、競技会では使わない場合、そのことはプレーが始まる前にすべてのプレーヤーに周知しておくべきです。 ー中略ー この選択肢は、球が止まったと推定される地点やアウトオブバウンズとなった地点からプレーしているホールのフェアウェイの縁までの間で、ホールに近づかない広い区域の中にプレーヤーがドロップすることをできるようにします。プレーヤーはこの救済の選択肢を使う場合には2罰打を受けます。 ー中略ー そのことは、この救済はプレーヤーがストロークと距離の救済を受けていた場合に起きていたことに相当します。
規則6.3a
ティイングエリアからプレーした同じ球でホールアウト
プレーヤーはティイングエリアからプレーした同じ球でホールアウトをしなければならない。
プレーヤーはプレーしようとする球に識別マークを付けるべきである(規則7.2参照)。
出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より

小山混 プロフィール
イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。