春風ビュービューでもピンデッドに狙える「ライン出しショット」 大西翔太
本格的なゴルフシーズンに向けてしっかり練習を積めるこの季節。ラウンド中に起きるトラブルや、いざというときに実践できる技術的なショットを身につけておきたいところ。いくつかのシチュエーションをピックアップし、ツアープロコーチの大西翔太氏に打ち方を解説してもらった。
「ライン出しショット」の打ち方
今回は、強風が吹く状況下、アイアンでピンデッドに狙いたいときに有効な「ライン出し」を教えてもらう。風の影響を受けたくない、打ち下ろしでボールを早く落としたい、方向性や縦距離がズレやすい、そんなときに活用したいショットだ。
1.左手3本の指をしっかりグリップ
アドレスではボールを1個分右に置き、自然な“ハンドファースト”を作りましょう。インパクトでそのハンドファーストをキープできれば、ロフトが立ちやすく、打ち出しが低くなります。また、フェースアングルが安定するように、左手の中指、薬指、小指の3本をしっかり握ってください。
2.ひと番手上げてコンパクトに振る
ライン出しでは時計の針が指す「10時-2時」をイメージしてコンパクトに振ります。飛距離は少し落ちるので、持つ番手をひとつ上げましょう。クラブフェースを目標に対して真っすぐ保ったままインパクトを迎えるように意識してください。
3.左手を上手くコントロール
ゴルフのスイングは右手が「出力」、左手は「方向性」と言われいて、ライン出しではその左手を上手くコントロールすることが重要になります。アドレス時の左手の角度をなるべくキープしたままスイングしましょう。振り幅をコンパクトにするとインパクトで左手の甲が空を向いてしまう人が多いので注意! 左手の甲をボールにぶつけていくようなイメージを持つといいでしょう。
4.スティンガーショット
ライン出しよりさらに高等テクニックですが、ボールを上空の強いアゲンストの下を通したいときなどに、左手の甲を下に向けたまま強くインパクトしていくと、地をはうような低い球、いわゆる“スティンガーショット”が打てます。先ほどよりさらにロフトを立てて、左手の甲をボールにぶつけていきます。パワーがないと難しいショットではあるので、無理は禁物です!
ライン出しショットの打ち方を動画で解説
【今回のまとめ】ライン出しショットの打ち方
・左手3本の指をしっかりグリップ
・ひと番手上げてコンパクトに振る
・左手を上手くコントロール
ライン出しはショットの基本が詰まっていて、不調のときにあえてライン出しショットをしてスイングの感覚を取り戻すプロもいます。みなさんもぜひチャレンジしてみてください!
大西翔太(おおにし・しょうた) プロフィール
1992年生まれ、千葉県出身。青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務め、初優勝を含む現在の活躍に大きく貢献。ジュニア育成にも力を入れる人気ティーチングプロとして、多くのメディアで活躍中。確立されたゴルフ理論と分かりやすい指導で、アマチュアからも多くの支持を得る。