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コースを攻略してスコアアップ Vol.03 太平洋クラブ&アソシエイツ益子コース

2013/04/18 11:00

加藤俊輔の設定理念とは

加藤俊輔氏は70以上のコースを設計し、日本ゴルフコース設計者協会の初代理事長として活躍されたゴルフ設計者界の巨匠です。加藤氏が設計したコースで一番有名なコースは、2001年のEMCワールドカップ会場として使用された太平洋御殿場コースでしょう。また、2004年の日本オープンゴルフ選手権の会場となった片山津ゴルフ倶楽部白山コースや、岡山県の埋め立て地に作られたリンクスコースのJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部も良く知られています。

これまで造られたコースを見ると、リンクスコースから丘陵コース、また山岳コースまで様々なタイプのコースがあります。同じ設計家が造るコースはどこか似ているものですが、加藤氏の場合はどれも似ていません。その理由は加藤氏のコース設計ポリシーの、「自然から得たものは自然に帰す」ということから来るようです。この考えは、元々の自然をできるだけ壊さないようにし、それと調和したゴルフコースを造る事なのです。

加藤俊輔コースの特徴

太平洋クラブ御殿場コースでは、強い傾斜地を上手く利用して、毎ホール違った表情を持たせています。このコースは富士山麓にあり、元々の地形は非常に傾斜の強い丘陵です。この傾斜地に木々やマウンドを上手く配置することで、プレーヤーの錯覚を生み出し、コースの難易度を高めています。錯覚はコース内の強い傾斜を感じさせなくするだけでなく、グリーンのライン読みを難しくさせています。ゴルフの本質を学ぶことができるコースです。

片山津ゴルフ倶楽部白山コースでは、平坦な林間コースに独特な砲台グリーンと深いバンカーを配置することで、コースにアクセントをつけています。このコースは、元々あったコースを加藤氏が全面改造を行い、新しいコースとして生まれ変わりました。グリーン周りの設計は他に見たことが無い様な独特なもので、高くて止まる弾道が要求されます。そして、グリーンを外した際のアプローチやバンカーの難易度の高さは想像を絶する程です。プレーヤーは期待感、不安感、そして緊張感を楽しむことができるコースです。

JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部では、平坦で何もない土地にマウンドとラフを配置することで、スコットランドの様なリンクスランドへと変身させています。ゴルフの原点であるリンクスランドは自然の力で作られたものですが、このコースは加藤氏の想像力と研究力から作られています。他の日本のコースでは遭遇しないであろう特別なショットに直面することができます。ショットのイメージ力とバリエーションを問われるコースです。

今回は太平洋クラブ&アソシエイツ益子コースを使って加藤デザインの素晴らしさを紹介します。

コース解説/堀尾研仁
取材協力/太平洋クラブ&アソシエイツ益子コース

太平洋クラブ&アソシエイツ益子コース ホールから読み取る加藤俊輔設計の攻略法 5H・536Y・Par5≫
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