あがき続けた学生時代 事故と留学と涙の出会い<中井学の半生・前編>
「天国の母『頑張ってるじゃん』」秋山真凜 プロゴルファーを断念した過去とこれから
あなたのゴルフ人生を教えてください vol.4【秋山真凜 編】
リポーターやスポーツキャスターとして活躍中の秋山真凜さん(25)。プロ野球「福岡ソフトバンクホークス」元監督で野球解説者の秋山幸二氏を父に持ち、ジュニア時代はプロゴルファーを目指して才能を開花させていった。その後、人生の節目となるプロ断念やタイガー・ウッズとの縁を経て、いまに至る彼女の半生と将来像とは。
父の教えでスイングの基礎をつくった幼少期
―ゴルフを始めたきっかけは?
「オフシーズンはゴルフ三昧だった父を見かねて、母が『真凛にもゴルフを教えてあげて』と提案したことが、きっかけです。私が4歳のときから、父との『体操の時間』が設けられて、ゴルフの練習器具を使って上半身をひねる動きを教わりました。それが徐々に前傾を取るようになり、気づけばスイングの基礎作りに変わっていました(笑)」
―コースデビューはいつ?
「クラブを握ったのは5歳のときで、それから練習場に父について行き、少しずつ教えてもらいました。コースデビューは、その年の父のオフシーズン。家族旅行のときに回ったハワイ(グアム?)のゴルフ場でした。それから順調に上達して、コンスタントにスコア80・90台が出せるようになり、小学校に入ってからは競技にも出るようになりました」
―現在活躍中のプロと回っていたと聞きましたが?
「小学生が出場できる大会は限られているため、地元の福岡だけではなく、地方を遠征していました。当時、鈴木愛選手や堀琴音選手と回っていたのを覚えています。また、学年が1つ上の柏原明日架選手や篠原まりあ選手とは旧知の仲。2つ下には勝みなみ選手もいて、いま考えるとそうそうたるメンバーだったなと驚かされます」
母の病気であきらめたプロゴルファーの夢
―当時の苦悩は?
「ジュニア時代は、大会で優勝することの意味すら分かっていませんでした。ショットやパットといった具体的なことで悩んだ経験はありませんが、ある時を境にスコアが伸びなくなり、いつも帯同してくれていた母とケンカをしながらも、試行錯誤を繰り返した思い出があります。二人三脚で一緒にゴルフに熱を入れてくれた母に、いまでも感謝しています」
―母・千晶さんが倒れたのは2011年?
「はい。中学3年生のときに、それまで通っていたインターナショナルスクールから沖学園中学校に転入し、プロを目指していた最中でした。突然のことにショックでしたが、いつも私のことをサポートしてくれていた母のことを考えると、あとで後悔したくないという気持ちが強くなり、ゴルフをやめることを決意しました」
―苦渋の決断だった?
「いいえ。当時は本当に母がいなければ、あそこまで私がゴルフに熱中することはなかったと思います。それほど、私の夢を追いかけてくれていたのは母でしたし、励ましてくれた恩は何ごとにも代えられません。母の正直な気持ちを考えると、私がやめたことには反対だったかもしれませんが、私はいまでも悔いはありません」
あこがれるタイガー・ウッズの通訳に抜擢
―その後キャスターになるきっかけは?
「母が亡くなり、大学に進学したあと、通訳の仕事を手伝うようになりました。いろいろな職業のいろいろな考え方を持った人との交流が楽しくて、より広い世界で活躍している人の話を聞きたいという思いから、キャスターを志すようになりました。その頃に話が来たのが、『ZOZOチャンピオンシップ』でのインタビュアーのお仕事でした」
―『ZOZO―』はとても貴重な経験だったと聞きましたが?
「はい。私のキャリア人生でも確実に大きなものになると思います。それまで憧れでしかなかったタイガー・ウッズ選手の通訳を務めて、彼の常にショーマンシップを忘れない精神と、勝負に徹するプロフェッショナルな考え方に触れました。ただ、試合を離れると、親近感の湧く優しい笑顔と接しやすい対応。以前は勝負師、カリスマという雰囲気で、画面越しにも伝わる近寄りがたいイメージでしたが、その時はとても変わった印象を受けました」
―これからの夢は?
「『ZOZO―』の直後にコロナ禍で仕事が減り、何も手につかない状況となったのですが、落ち込んでばかりもいられないと奮起し、『九州女子アマ』に出たんです。ジュニア時代に悔しい思いをした大会でもあったので、9年ぶりに競技に挑戦しました。結果は思うようにいきませんでしたが、久しぶりに真剣な場を体験できたことで、ゴルフ界に恩返ししたいという意欲を再認識できました。今後はティーチングプロの資格を取り、将来はジュニアの育成にも携わりたいと思っています」
父が厳しい世界で戦ってきた影響なのか、あまり家族に褒められた経験がないという秋山さん。現在の活躍を見て、天国のお母さんは何て言うと思いますか? との質問に「『頑張ってるじゃん』と言うと思います――」。少ない言葉からでも伝わる親子の愛。ゴルフを通して培った家族との思い出を胸に、彼女は立ち止まることなく前を向く。(編集部・内田佳)
取材協力/カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)
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