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プロテスト合格から苦労の17年 女子プロの生き方/横山倫子の半生(後編)

あなたのゴルフ人生を教えてください vol.10 横山倫子

あなたのゴルフ人生を教えてください・横山倫子編

“○○世代”と形容される20代前半の若手プロの活躍で、低年齢化が加速する国内女子ツアー。藤田さいき上田桃子穴井詩といった30代選手も負けじと元気だが、一方で一線を退く選手も増えた。進退を考えざるを得ない世代――プロ17年目の横山倫子(39)もそのひとり。何度か優勝争いに顔を出す活躍を見せるもののいまだ未勝利の彼女は、プロ人生を自問自答しながら歩んできた。後編は、1回限りと決めて挑んだプロテストから、現在までを振り返る(全2回/後編)。

「後悔だけはしたくない」 一度きりのプロテスト挑戦

2004年に宮里藍さんのキャディを務め、ツアープロの世界を見せてもらった横山。大学ではゴルフを続けていたが、将来の目標は別に置いていた。そんな彼女は関東学生ゴルフ連盟主催の大会で優勝を果たす。

「自分はこのまま就職してよいのか? プロとしてやれたのではないか? ジュニア時代に一緒に戦ってきた藍ちゃん(宮里藍)やさくら(横峯さくら)をはじめ多くの後輩がプロとして戦っている。将来、振り返ったときに後悔することは絶対に避けたい」。キャディを務めた際、飛距離が圧倒的に足りなかったり、技術が全く追いつかないレベルではないと悟った。ひょっとしたら自分もツアーで戦えるのでは。プロへの気持ちが日に日に増していった。

挑戦しようと決断したものの、テストには費用がかかる。父親に頼んでお願いした手前、チャンスは一度きりと決めた。「ただ、意外と緊張しませんでした。学生のコンペの雰囲気(笑)」と当時を振り返る。第1・2次予選では知らない顔ばかりであったが、最終戦になると学生時代に戦ってきた仲間がそろっていた。

「何度も会場の下見で練習ラウンドを行い、入念に準備した結果、これで(落ちても)悔いはないという気持ちに達していました。そんな心境もあってか、終始落ち着いてラウンドでき、結果は2位通過。最終ホールのパットを外し、スコアは真夕(服部真夕)と同点だったのですが、前日トップがそのまま1位ということで、2位に。ただこの結果はなるべくしてなった結果。真夕はそれまでもずっと1位通過を続けていて、その後は日本人選手で初となるプロテスト合格年でのレギュラーツアーのシード獲得。翌年には初優勝も果たします。今考えると、納得の順位だったと思えます」

「きれいなスイングゆえに…」苦悩のプロ生活

横山はその後、ステップアップツアーを主戦場に置きながら、レギュラーツアーにも何度か顔を出した。ただ、彼女の中ではどうしても拭えないコンプレックスを抱いていた。それは、絶対に優勝するぞという気概がないこと。幼少期からコツコツと美しいスイングを磨いてきた彼女にとって、スイングが多少乱れても、メンタルで圧倒する優勝者の姿を見て、自分はこうにはなれないと感じていた。

「バーン! と力強く打っていくタイプに憧れました。自分はどうしてもスパーン! ときれいに打ててしまう。ないものねだりかもしれませんが、優勝する人にあって自分に足りないものは何なのか? そればかりを常に考えていました…」

未勝利。しかもレギュラーツアーに継続して出られない。思うような結果が残せない日々を送る横山から、2018年にスポンサーが撤退を要請してきた。「精神的に絶望に落とされました。もうここまでかと…」

「スポンサーがなければプロの資格はないのと一緒。まだ自分はやれると意固地になっても、それを他人から言い渡されたら終わり。そのときにゴルフができることの有難さ、プレーできることが当たり前ではないことを痛感しました。知り合いの紹介で何とか新しいスポンサーを見つけ、選手生活は続けることができましたが、周りから応援や援助してくれる人が居るからこそ、私たちプロが成り立っている。ゴルフ生活が送れていることに感謝しようと心に決めました」

プロにとっての「目標」「結果」はたったひとつなの!?

すでにベテランの域にかかっていた横山だが、挑戦意欲は衰えず、アジアン、カナディアン、台湾、また欧州ツアーへ。活躍の場があれば世界中どこにでも赴いた。

「プロになったからには、もっと活躍して有名にならないとけいない。横山倫子というプロゴルファーを演じ続けなければいけない、という気持ちは常に先行していました」。精神的にも余裕がなく、焦りばかりが先に立つ毎日…。そんなとき、欧州での経験が気持ちを楽にしてくれた。

「選手としてはピークを過ぎていましたが、海外で予想以上のスコアを出せて自信が付いたり、海外選手の楽しそうなプレーを見て考え方が変わったり…。まずプロである前にひとりの人間。人生をもっと愉しまないと。プロにとって優勝することだけが目標ではないのかもしれない、と思うようになったのです」

視点はひとつでなくてもいい――。プロにとって優勝こそ「目標」であり、優勝こそが唯一の「結果」と見られている。だが、プロ自身の存在意義はそれだけではないはず。横山は17年間自分を追い詰め続け、あまりにも視野が狭くなっていたことに気がついた。

新たな出会いがもたらした心境「許すこと」 そして夢…

2021年には新たな出会いがあった。群馬県みなかみ町で行われていたラフティングツアーに参加した際、新人ガイドとしてボートに付いてくれたのが今の旦那さん、廉太朗さんだった。

彼はNHKを退社し、アドベンチャーレーサーとしてプロチームを目指していた。後日、SNSで「トレーニング方法を教えてほしい」とメッセージが届き、アスリートとしてやりとりを重ねていくうちに意気投合。彼の前向きな考え方と真摯な対応に惹かれていった。「彼も就職して挫折や苦労を重ね、似たような立場からアドバイスをくれたり、両親が二人とも文筆業をしている影響からか、他人とは少し違った視点で助言をくれたり。常にポジティブに物事をとらえ、新しい目線に気づかせてくれる人です」

現在は妊活に専念しているという彼女。今、抱いている夢は? 「このままプロを続けてレジェンドツアーで優勝すること」。あなたにとってゴルフとは? 「とっても楽しいスポーツ。生涯できるライフスポーツという一面もあり、どんな年齢でどんな体格で、性別もスポーツ歴も問わず、誰でも楽しむことができる。こんな豊かな気持ちになれるスポーツって他にないですよね(笑)」

小学校時代に先生を許せず、登校拒否を繰り返していた少女は、他人も自分も許せる大人に成長し、前を向き続けている。

取材協力/大宮公園(埼玉県)

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