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【ゴルフ場毒虫シリーズ】知らないと恐ろしい蜂の真実
2019/08/21
お盆を過ぎて、猛暑も落ち着くこの季節。自然に囲まれたゴルフ場でのラウンドは気分が高まるもの。しかし、気を付けないといけないのが、ゴルフ場に潜む毒虫だ。木陰に打ち込んでボールを探していたら、いつの間にか何かに刺され、かゆくて集中できなくなったなんてこともあるのでは? 兵法書の孫子には「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」としるされている。ゴルフ場によく出る虫について、あなたはどれだけご存知ですか?
7~11月まで巣を守るために働き蜂が攻撃
身の回りの虫刺され被害の中で、最も危険なのが蜂だろう。道を歩いていたら、ブーンという羽音とともに現れ、追い払おうとしたらグサッと刺されて激痛が…なんてことも珍しくない話。蜂はどこにでもいる危険な毒虫で、ゴルフ場も言わずもがなだ。
蜂はアリに似た「社会性昆虫」の一種で、集団で活動する。3月~5月頃に冬眠から目覚めるが、冬を越すのは女王蜂だけ。最初は単独で巣作りを始め、同時に働き蜂やオス蜂を生んでいく。ちなみに働き蜂はメスだけで、産卵能力を持たず、巣を作ったり、エサを運んだりと女王蜂を助ける。7月頃になると働き蜂やオス蜂の数が増えて活発になり、種類によっては11月ごろまで活動する。
蚊やブヨは、メスが産卵の際に栄養源として人間の血を吸うのだが、雑食性の蜂は昆虫やクモ、熟した果実、人間が食べ残した物などエサは豊富なので、栄養が欲しくて人を刺すことはない。ただ、危険を感じた時や、巣を守らないといけない時に、働き蜂が攻撃してくるのだ。
オオスズメバチは土の中にも巣を作る
代表的な蜂の種類と言えば、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチ。ゴルフ場で特に危険なのはスズメバチだろう。大きさはミツバチが1cm強、アシナガバチが2cm~2.5cm程度なのに対して、スズメバチは小型の種類になるキイロスズメバチでも2.5cm~3.0cm、オオスズメバチだと4cmを超えるものもいる。
スズメバチは、近くにエサがあり、雨風をしのげるところならば至る所に巣を作る。ゴルフ場だと、コース内にある大木の穴の中や木の根元などは比較的ゴルファーの注意も向きそうだが、攻撃性の高いオオスズメバチは地中にも巣を作ることがあるので覚えておいた方が良いだろう。地中だと大きさが分からないが、大きいものだと直径50cmを優に超える大型の巣もあり危険だ。習性として、前年と同じような場所に巣を作ることも多いという。
長野県にある蓼科東急ゴルフコースの掛札洋平支配人に話を聞くと、「対策に関してはモグラたたきの状態です」とのこと。同コースは高原リゾート地にあるため、蜂が実際に活動するのは気温が高くなる7月を過ぎてから。「コース管理のスタッフやお客様からの情報が入ったらすぐに対応をしています。巣が小さい内なら自分たちで殺虫剤を持って駆除しますが、大きくなっていたら駆除業者に頼んでいます」と、巣の駆除を徹底している。そのため、現状ほとんど被害は出ていないそうだ。
強力な“毒のカクテル”で毎年20人前後が死亡
スズメバチは巣に近づくだけで威嚇をし、刺激を与えると群れで積極的に攻撃してくる。ミツバチとは違い、一匹が何度でも攻撃してくる特徴もある。刺されると痛みが生じ、赤く腫れ上がる。この痛みは数日安静にしていれば治ることも多いが、問題は“毒のカクテル”とも呼ばれる毒液の組成だ。炎症作用を引き起こすヒスタミンだけでなく、呼吸不全や心肺停止に至ることもある神経毒、アナフィラキシーショック(抗原抗体反応)を招くペプチドやタンパク質も含まれる。群れに襲われるケースでは症状に気を付けたい。
特に、すでに刺された経験がある人は要注意。1回目で体に残った毒が、2回目以降に刺された際に強いアレルギー反応が出て、じんましん、腹痛、呼吸困難など全身症状になることもある。また、全国各地で最近勢力を増しているとされるキイロスズメバチは毒を飛ばして攻撃することがあり、毒液が目に入った場合は失明の可能性もあるとされるので気を付けたい。厚生労働省によると、蜂に刺されて毎年20人前後が命を落としており、ただの虫刺されと侮れないのが実情だ。
蜂に出くわしてしまった場合について、埼玉県で「蜂駆除屋さん」を営む櫻庭誠治さんに話を聞くと、「蜂は自分より下にいる物を見るのが苦手なので、まずは蜂よりも低く頭を下げることです。単独で飛んでいる蜂はエサを探しているだけなので、刺激を与えなければ襲ってくることはありません」とのこと。ちなみに黒っぽい服は、蜂にとっての天敵にあたるクマと誤認され、より敏感な反応を誘う可能性があるという。
もしも誤って巣に近づいてしまった場合は、冷静な対処が身を守りそうだ。「蜂は素早く動くものに反応します。巣に近づいてしまった場合でも、振り払おうと手を動かしたりせず、焦らず逃げるのが良いでしょう」
ペナルティより人生を
プレー中に林へ打ち込んでしまい、蜂がたくさん飛んでいるような場所にボールが止まっていたら、まずは危険回避を優先しよう。ゴルフ規則の16.2「危険な動物の状態」では、「球をあるがままにプレーすると、球の近くの危険な動物(例えば、毒ヘビ、刺す蜂、ワニ、ヒアリ、熊)により、プレーヤーが重傷を負う可能性がある場合」に救済を受けられると規定している。
球がペナルティエリアにある場合、救済のニヤレストポイントを基点に1クラブレングス内にボールをドロップし、無罰で打つことができる。ペナルティエリア内でニヤレストポイントを取れない場合、1罰打で元の場所か、ペナルティエリアに入ったと思われる地点とホールの後方線上に取った基点の1クラブレングス内から打ち直せる。
ジェネラルエリアであれば、ニヤレストポイントに無罰でドロップできるので、絶対に安全な位置から打ち直そう。
まさしく、触らぬ神にたたりなし…。ペナルティを惜しまず、しっかり避けるのが、人生のコースマネジメントとしては正しそうだ。
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