野球選手もタレントも 男子ツアーに出場した“変わり種”選手たち
プロ野球OB選手 スイングNo.1は意外なあの人
野球界のレジェンド27人から、美スイングBEST8を発表
ゴルフを趣味にするプロ野球選手は多く、現役を退いてからシングル級の上級者になる選手も大勢いる。彼らのゴルフの腕前は本物か? 榊原温泉ゴルフ倶楽部で行われた「三甲PRESENTS プロ野球OBゴルフ選手権」に潜入し、総勢27人のスイングを分析。自らも野球経験を持つティーチングプロ 平野茂氏に、美しいスイング・ベスト8を挙げてもらった。
【第8位】川口和久 「ミケルソンばりの左の壁」
注目は左足の動きです。下半身の開きがいっさいなく、しっかりと左足で壁を作れています。この壁のおかげで上体をスムーズに回転でき、しっかりボールをつかまえることができています。この動きはフィル・ミケルソンを連想させるほど。上体に力みがなく、壁の効果で力強いスイングができています。
川口和久(かわぐち・かずひさ)
1959年生まれ。80~90年代に左の大エースとして活躍/広島-巨人/左投両打、投手
【第7位】西崎幸広 「ブレない2軸スイング」
体の中心軸がバックスイングでは右足側に、ダウンスイングでは左足側に移動しています。右軸から左軸へ、テンポ良く移動できている点が美しいスイングを生んでいる大きなポイント。全体的にどっしり構えられている感じに見えるのは、この2軸の動きにブレが生じていないからです。
西崎幸広(にしざき・ゆきひろ)
1964年生まれ。86年ドラフト1位で日本ハム入団後、アイドル的存在として人気を博した/日本ハム-西武/右投右打、投手
【第6位】権藤博 「左ひざの向きが一定」
注目は常に左ひざがボールへ向けられている点です。多くのアマチュアゴルファーは、切り返しからインパクトまでに体が開き、ひざの向きが左へ流れてしまいますが、権藤さんは最後まで変わらずクラブを振り抜いています。これにより効率良く遠心力を使ったスピード感のあるスイングができています。
権藤博(ごんどう・ひろし)
1938年生まれ。現役時代「権藤、権藤、雨、権藤」という流行語が生まれるほど活躍した伝説の投手/中日/右投右打、投手-内野手
【第5位】村上隆行 「不動の重心の高さ」
体の重心がアドレス時のまま、フィニッシュまで変わらない点が優れています。力みが入ると上下の動きが加わったり、腕を強引に返そうとして重心の高さがダウンスイング中に変わったりするものなのですが、村上さんの場合は切り返しからフィニッシュまで、スムーズにクラブが流動できている点が優れています。
村上隆行(むらかみ・たかゆき)
1965年生まれ。80年代後半、猛牛打線の一角を担った名バッター/近鉄-西武/右投右打、外野手-内野手
【第4位】田中幸雄 「力強いアスリートスイング」
これほど強振しているにも関わらず、体のバランスがいっさい崩れていないのが田中さんのスゴいところ。強い体幹と筋力があってこそ。まさにアスリートならではのスイングといえます。今回の出場選手(27人)の中で飛距離は間違いなくトップクラスというのが分かるスイングです。
田中幸雄(たなか・ゆきお)
1967年生まれ。「ミスターファイターズ」の名で親しまれた日本ハムを代表する野手/日本ハム/右投右打、内野手-外野手
【第3位】笘篠賢治 「小さな動きでヘッドを走らせる」
最小限の力でヘッドを効率良く走らせているスイングです。まさに、コンパクトスイング。このように小さく力強く振ることができれば、飛んで曲がらないショットを生めます。笘篠さんのようなスイングができれば、どんなに調子が悪くてもスコアを大きく崩すことはないでしょう。
笘篠賢治(とましの・けんじ)
1966年生まれ。89年新人王を獲得後、野村克也監督のもとヤクルト黄金期を支えた/ヤクルト-広島/右投両打、内野手-外野手
【第2位】原辰徳 「まったく傾かない体の軸」
アドレスからフィニッシュまで、いっさい体の軸が傾いていません。厳密に言うとやや右斜めの軸がそのままキープされ、頭の位置がずっと同じです。無駄なフェースローテーションを行わず、しっかりアームの入れ替えができています。いっさいの無駄のない見本のようなスイングです。
原辰徳(はら・たつのり)
1958年生まれ。1980~90年代中盤まで長期にわたり巨人の4番を務め、ON時代後の巨人を支えた/巨人/右投右打、内野手-外野手
【第1位】谷繁元信 「トップの形が秀逸!」
決して大振りせず、非常にコンパクトなトップの形ができています。野球経験者の多くは右ひじがフライングエルボーのように外に開いてしまう人が多いのですが、谷繁さんはしっかり抑えられています。タイガー・ウッズのような美しいレイドオフの形になっている点で、今回はNo.1とさせていただきました。
谷繁元信(たにしげ・もとのぶ)
1970年生まれ。90年代は横浜、2000年代は中日で正捕手として活躍/横浜-中日/右投右打、捕手
【番外編】大久保博元「抜群のフェースコントロール」
大久保さんはティーチングプロの資格をお持ちですので、今回はあえてランキング外とさせていただきました。ただ、スイングはやはりプロレベル。特にフェース面を意識しながら、ヘッドをコントロールできている点がうかがえます。美しさではなく、スイングのうまさで言うと原さんと大久保さんは別格ですね。
大久保博元(おおくぼ・ひろもと)
1967年生まれ。90年代に西武、巨人で捕手として活躍し、勝負強いバッティングでファンを魅了/西武-巨人/右投右打、捕手
美しさではバッター出身者に軍配!
今回のランキングでは、バッター出身者がベスト3にそろいました。やはり長い期間、同じ動きを繰り返すプロ野球選手の中で、ピッチャー出身者とバッター出身者でスイングの傾向も変わってくるもの。次回は、元野球経験者のゴルフスイングの特徴を解説していきます。
(次回「スイングから紐解く野球経験者あるある」をお届け)
日テレジータス「三甲PRESENTS プロ野球OBゴルフ選手権」
・放送日:7月15日(日) 15:30~/22日(日) 14:00~
・内容:プロ野球の頂点を極めたレジェンドたちが、ゴルフでガチンコ対決! 放送では予選、決勝の2日間にわたる大会の模様をたっぷりお届け。ドライビングコンテストや全選手のスイングも放送予定。
・出場者(順不同)
篠塚和典、原辰徳、西崎幸広、水野雄仁、西山秀二、立浪和義、今中慎二、和田一浩、中村紀洋、権藤博、山本浩二、平松政次、定岡正二、川口和久、武田一浩、野村謙二郎、笘篠賢治、佐々木主浩、谷繁元信、関本賢太郎、眞弓明信、島田誠、齊藤明雄、金村義明、村上隆行、大久保博元、田中幸雄
平野 茂 プロフィール
1973年生まれ、東京都出身。2007年ティーチングプロ資格を取得し、現在「フラットフィールド・スクール・オブ・ゴルフ」を主宰。早稲田大学野球部から社会人野球の選手としてプロ野球を目指し、その後ゴルフに転向。叔父の中山徹を師として、ツアープロを目指した過去を持つ。ユニークなレッスンと分かりやすいメソッドで多くのアマチュアゴルファーから支持を得ている。
レッスンカテゴリー
- 基本動作アドレス グリップ スイング ドライバー バンカー 練習ドリル
- 弾道別スライス フック トップ ダフリ 高い 低い テンプラ
- スイング改善アドレス グリップ 振り遅れ インパクト フォロー
- 状況 クラブ別ドライバー アプローチ バンカー ラフ 傾斜 アイアン
- 中上級 応用ドロー フェード 距離感 マネジメント スピンコントロール
- ボディケアスキンケア ストレッチ 花粉症 筋トレ アレルギー
- ルール マナーゴルフ規則 マナー
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