フォージドは軟鉄のことではありません！

【アマチュアSさんの“今さら聞けない”】
フォージドアイアンはどんな特性がありますか？上級者向けなんですか？

フォージドは鍛造製法のこと

【たけちゃん'sアンサー】
「フォージド」とは、アイアンを作る「製法」の事です。熱した金属を叩きながら形作る「鍛造（たんぞう）製法」のことをフォージドといいます。

「“軟鉄”鍛造」の事だと思っている方が多いですが、正確には「鍛造」のみを指します。叩きながら形を作るという特性上、ある程度軟らかい「軟鉄」を素材に使うのが一般的なので「軟鉄鍛造」という言葉が広まったのだと思われます。

とくに近年は素材が進化し、軟鉄ではない素材を使用して鍛造製法で作られたアイアンも登場しており、「フォージド＝軟鉄」ではなくなっています。

一方、溶かした金属を型に流し込んで作るのが「鋳造（ちゅうぞう）製法」で、素材は主にステンレスを使用することが多いです。アイアンの製法はおおむねこの2つに分かれます。

主な違いは調整出来るか出来ないか

鍛造の「スリクソン ZX5 MkII」（左）と鋳造の「ゼクシオ 12」

鍛造に多い軟鉄と、鋳造に多いステンレスの一番大きな違いは、一般的な工房でライ角やロフト角の調整が出来るか出来ないかでしょう。

鍛造は主に軟鉄を叩いて成型しているので、金属内部にある結晶が整って金属に粘りが生まれます。その粘りが後からの調整を可能にしているのです。フォージドの打感が柔らかいと言われる所以もここにあります。

鋳造は主にステンレスを型に入れるので、丈夫な素材で安く大量に作れるのが長所です。ただし、鋳造アイアンの方が安く購入できる反面、基本的に一般的な工房では後からライ角やロフト角の調整が出来ないことが多いです。（※昨今は軟鉄鋳造などライ角やロフト角の調整が可能な製品も発売されています）

必ずしもフォージドが上級者向けというわけではありません。ですが、上級者になればなるほどライ角の重要性などが分かるため、上級者が使うアイアンには調整の利くフォージドが多くなるのだと思います。

たけちゃんの1分動画解説

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