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練習場のレンジボールはコースボールと何が違う? アプローチでの“差”を徹底調査

打ちっ放しのゴルフ練習場で使用されるレンジボールは、そもそもどんな特性なのか? コースボールとの違いに迫るシリーズ第3弾は、飛距離性能曲がり幅に続き、ショートゲームでの“差”を取り上げる。「スピンがかかりすぎる」「思った場所よりショートになりがち」といった漠然とした認識はあるものの、実際にどれだけスピン量が減少するかは不明だ。そこで弾道の違いを計測し、コースボールとの球質の違いを調査した。(編集部・内田佳)

最高到達点はコースボールの5分の3 バックスピン量は多いのになぜ!?

同じ状況下の室内打席にて、1ピースと2ピースのレンジボールと4ピースのコースボールでアプローチショットを測定した。キャリーの距離が同じになるように、60ydを目安に打った弾道を計測したところ、圧倒的に1ピースのスピン量が一番多かった。2ピースのレンジボールは、4ピースのコースボールとほとんど変わらないものの、86回転多く出る結果に。

■キャリー60ydを目安に打ったアプローチショット

【レンジボール(1ピース)】
ヘッドスピード:25.0m/s
ボール初速:24.7m/s
バックスピン:8349rpm
打ち出し角:28.6度
最高到達点:8.5yd
キャリー:60.8yd
総距離:62.2yd

【レンジボール(2ピース)】
ヘッドスピード:26.0m/s
ボール初速:25.8m/s
バックスピン:6779rpm
打ち出し角:31.6度
最高到達点:11.0yd
キャリー:60.5yd
総距離:65.1yd

【コースボール(タイトリスト プロ V1x ボール)】
ヘッドスピード:26.8m/s
ボール初速:26.2m/s
バックスピン:6693rpm
打ち出し角:35.8度
最高到達点:13.3yd
キャリー:60.1yd
総距離:63.2yd

注目は「最高到達点」で、1ピースが8.5yd、2ピースが11yd、コースボール13.3ydと、きれいに高さの差が生まれた。バックスピン量はコースボール<2ピース<1ピースの順なのに、高さは1ピース<2ピース<コースボールと逆になった。スピンは多くかかっているのに、なぜ弾道は低く出てしまうのか!?

実験に協力してくれたクラブフィッター・筒康博氏は、「距離(キャリー)をそろえたとしても、ボールに与える力の差が生じるため、一概にバックスピン量と弾道の高さが反比例するとは言いがたいです。逆にボール初速は同様のレベルで、スピン量をそろえるように打った場合、どのような結果が出るのか。キャリー60ydから徐々に短くしていき、コースボール同様の6693rpmに近い数字が出るまで打って、比較してみましょう」と提案。同じロフト角57度のウェッジのまま、2個のレンジボールを計測した。

■バックスピン6693rpmを目安に打ったアプローチショット

【レンジボール(1ピース)】
ヘッドスピード:23.1m/s
ボール初速:22.9m/s
バックスピン:6609rpm
打ち出し角:28.5度
最高到達点:7.3yd
キャリー:42.5yd
総距離:43.1yd

【レンジボール(2ピース)】
ヘッドスピード:24.2m/s
ボール初速:23.8m/s
バックスピン:6697rpm
打ち出し角:31.2度
最高到達点:9.2yd
キャリー:55.4yd
総距離:58.2yd

バックスピン6693rpmを目安に打った場合、2ピースのレンジボールではキャリーが55.4yd、1ピースはなんと42.5ydしか飛ばなかった。コースボール60.1ydと比べ、かなり飛距離の“差”が生じることに。バックスピン量はほぼ同じ回転数なのに、「打ち出し角」「最高到達点」を含む全項目で1ピース<2ピース<コースボールときれいな図式が当てはまり、それに応じてキャリーも大きく差が開いた。

単一と多層の“最高到達点の差”の要因はバックスピンではなかった

筒氏は上記の結果を受けて「レンジボールが、コースボールと比べてスピン量に関係なく、最高到達点が低いのは多層構造による剛性設計が影響しているからです」と、その理由について言及する。

「単一構造のレンジボールと多層構造のコースボールの“差”は、反発力によるボール初速値が高いかどうかの違いといえます。その影響がドライバーやアイアンショットだけではなく、アプローチでのヘッドスピード内でも起こっている。僅差ではありますが、キャリーが同じになるように打ったとしても、ボール初速は少なく出ています(1ピース24.7、2ピース25.8、コースボール26.2m/s ※キャリー60yd目安)。レンジボールはコースボールと比べて初速が遅く、同じスピン量をかけても弾道が高く上がらない。その結果、最高到達点で“差”が生まれるわけです」

飛距離実験の際にも明らかとなった、単一構造と多層構造の反発力の“差”。コースボールは、アプローチのような小さな衝撃でも高い打ち出し角を得て、高い最高到達点から着地し、グリーンに止まる傾向が強い。レンジボールが低弾道&飛距離をロスしてしまうのは、スピン量ではなく初速値の低さが一番の要因であることが分かった。

練習場では1階と2階以上で練習内容を分ける

では、そんなレンジボールを使い、どのような練習を行うべきか。アマチュアゴルファーのコーチングも務める筒氏は、「一般的な練習場は、1階と2階打席があると思うのですが、アプローチを練習する際はそれぞれに応じたメニューが必要ではないでしょうか」と提案する。

「レンジボールはコースボールよりスピンがかかったと錯覚してしまう危険があります。初速が出にくく低弾道になる特性を把握し、練習場の打席をうまく使い分けるべきでしょう。1階打席では高さが出にくい分、転がしを中心に。縦の距離はコースボールと異なるため、参考程度に頭に入れ、練習時は方向性を重視して反復練習を行ってみてください。2階打席以上は、1階打席では味わうことができない“飛び姿”を目に焼きつけるメニューが最適。弾道を目で追い、ロフト違いのクラブでどんな高さが出せるか、フィーリングをつかむことが重要です」

取材協力/ダンロップスポーツマーケティング、ブリヂストンスポーツ、インドアゴルフレンジKz亀戸店、大島ゴルフセンター

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筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール

スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。「インドアゴルフレンジ Kz 亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。

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