今さら聞けない「ウッドとアイアンどっち寄り?」ユーティリティのシャフトについて教えて
今さら聞けない「多いほうがいいの?」ボールのディンプルについて教えて
【アマチュアSさんの“今さら聞けない”】
ゴルフボールには多数のくぼみがありますが、これは何のためですか?その数は多いほうがいいのでしょうか?
ディンプルはボール本来の性能を引き出す
【たけちゃん'sアンサー】
ゴルフボールにあるくぼみはディンプル(凹凸)と言います。ボールの内部構造が重要なのは言わずもがなですが、外側のカバーに施されたこのディンプルも、ボールのパフォーマンスを最大限引き出すための重要な要素です。
ディンプルの役割は大きく2つあります。まず、飛んでいる間のボールの周りの空気の流れを整えること。そしてもう一つはボールを上に飛ばそうという揚力を働かせることです。ちなみにディンプルがあるボールとないものを比較すると、ディンプルありのほうが倍近く遠くに飛ぶという実験結果があるほどです。
実際に練習場で何度も打ち込まれて洗われたボールはディンプルがすり減っています。そういったボールを打つと空気抵抗をもろに受け、ドロップして(野球のフォークボールのようにストンと落ちて)しまいます。
ディンプルは多ければよいというわけではない
基本的にディンプルは300~400個の製品が多く、一般的には数が多ければ多いほどボールのスピン量が増え、滞空時間が長くなると言われています。
ちなみに「世界最多ディンプル」で話題を集めたのが、ミズノの「NEXDRIVE(ネクスドライブ)」でディンプル数はなんと566個です。ただ、近年はどちらかというとディンプル数が減る傾向にあり、タイガー・ウッズが使用するブリヂストン「ツアーB XS」のディンプル数は330個です。結局のところ、目指すプレースタイルによって、ボールに求めるものが変わるので、自ずと最適なディンプルの数も変わってくるという事でしょう。
クラブ同様に反発係数の上限がある中で、各社ボールの内部構造とディンプルの組み合わせを研究し、より飛んで止まるボールを開発しています。近年は数だけでなく形状や配列もかなり研究されており、ディンプルの大きさや深さでも弾道が変わることから、一概に数が多ければ多いほど滞空時間が長くなるとも言えなくなっています。
いかに滞空時間を延ばせるか
ちなみに、近年のゴルフボールは糸巻き時代に比べ、構造上かなりスピン量が抑えられているため、ディンプルに求められる役割も変わってきたようです。よく耳にするのは、スピン量が多少落ちる最高到達点から落下地点までの滞空時間を延ばすという役割です。そこを延ばすことができれば、結果的にロングゲームでは最大飛距離を、ショートゲームでは止まりやすさをさらに補うことができるということです。
個人的には今後のボール開発においてディンプルの役割の重要度がさらに増しそうな予感がしますので注目したいところです。
たけちゃんの1分動画解説
■ゴルフクラブABCとは
巷には様々なゴルフクラブがあふれ、自分にぴったりの一本を見つけるのは至難の業。そもそもクラブを選ぶにも難しい用語が多く、深く知ることを敬遠している人も多いのではないか。そこでクラブ選びに役立つ「基礎中の基礎=“ゴルフクラブのABC”」を、全国から“患者”が訪れるというすご腕クラブフィッターたけちゃんに分かりやすく教えてもらう。
たけちゃん プロフィール
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者、浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる。出演する「ズバババGOLF」のYouTubeでは軽快なトークで人気を集める。
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