新生ウェアでゴルフに集中 シャウフェレが語るマスターズ“ココだけの話”
日本の皆さんこんにちは。ザンダー・シャウフェレ(Xander Schauffele)です。
2024年最初のメジャー、「マスターズ」が終わりました。4日間を戦い抜いた結果は8位。タフなコンディションが続く週で、優勝争いにも少なからず顔を出せたけれど、望んでいたフィニッシュとはいきませんでした。
ショートゲームの出来がこれまで以上に良かった半面、ショットは僕が求めていたレベルにはなかったように思います。オーガスタナショナルGCでスコアを伸ばすべきパー5では、最終日こそバーディを重ねられたけれど、それまでの3日間の苦戦が響きました。
僕にとってマスターズは特別な試合で、ことしも忘れられない瞬間がいくつもできました。3日目の最終18番、キャディのオースティンに「人生で一番のショットになるかもしれない」と話した場面がありました。1Wショットを右サイドに曲げて、林からの脱出を試みた2打目。ピンを目がけて真っすぐ打てば、松の木に当たってさらに林の奥に潜ってしまうところで、アイアンでスライスをかけ、松の葉をかすめてグリーンの奥へ。パーで上がれることができて、本当にうれしかったシーンでした。
そうそう、実は同じ日の15番に、もうちょっと“難しい”シチュエーションがあったんです。木々が立ち並ぶ左サイドで3打目のアドレスに入る前、ボールのそばの小枝を丁寧に取り除こうとしたとき、たくさんのパトロンやカメラマンに取り囲まれて…。多くの視線を浴びたあの時は、正直言って今までで一番緊張したかもしれません(笑)
デサントのアパレルに初めて袖を通して臨んだ1週間は、まさに新しい体験。ウェアの質、デザインともに素晴らしく、僕を100%、ゴルフに集中させてくれました。周りの選手から「いいね」と声もかけられたし、着心地の良さも、スタイリッシュさも感じられた。デサントのギアのパフォーマンスは、トーナメントの威厳に相応しいものを発揮してくれました。
オーガスタナショナルは超一流選手たちを相手に、僕らが自分のスキルを試す最高の場所。年の初めはまさにマスターズのために、日々を全力で過ごしてきました。普段は打たないような傾斜からのショットを練習し、クリエイティビティを養う。その挑戦を、心の底から楽しんでいるのです。
2021年、僕は松山英樹選手と最終組で最終日を戦いました。もちろん、英樹は強敵だから、僕もとにかく自分のプレーに集中し、強いメンタルで臨みました。本当に素晴らしいプレーをした英樹はマスターズのチャンピオンそのもの。そして僕もベストを尽くし、経験からたくさんのことを学んだ。3年前の結果は必ずしも「負け」の二文字に凝縮されるわけではなく、それからの成長と前進の機会でした。
ことしもマスターズではたくさんのものを吸収しました。もちろん、やり続けなければいけないこと、戦うために準備すべき課題はまだあります。それが3つ、4つ…ではなくて、1つ、2つと数を少なくできたら、きっともっとうまくいく。シーズンはこれから後半戦。今後の自分のプレーにワクワクしています。
■ザンダー・シャウフェレ(Xander Schauffele)
1993年10月25日、米カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。サンディエゴ州立大を経て2015年にプロ転向。17年「ザ・グリーンブライアークラシック」でPGAツアー初勝利を飾ると、プレーオフ最終戦「ツアー選手権」で2勝目を挙げ、ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。2021年「東京五輪」の男子ゴルフ競技で金メダルを獲得。PGAツアー通算7勝。