人気ブランドが本格始動に入ったリブランディング戦略とは

連載：新しいゴルフの楽しみ方を提案する「ゼクシオ」の試み

ゴルフに限らない“経験できない体験を”

ゼクシオ「リブランディング宣言」の新展開イベントではSDGsを楽しく学ぶカードゲーム大会なども開催された（撮影：角田慎太郎） — イベントではSDGsを楽しく学ぶカードゲーム大会なども開催された（撮影：角田慎太郎）

そして今年に入り、リアルイベントの開催にも動き始めた。10月には、「新しい発見、体験を探しに行こう」をテーマにGDO茅ヶ崎ゴルフリンクスで行われた「New discovery day」に特別協賛として参加。競技ゴルフのレクチャーやレッスン＆フィッティング、スピードゴルフといったゴルフに関わるものに加え、バーベキューインストラクターによる燻製料理教室やSDGsを楽しく学ぶカードゲーム大会など、普段ゴルフ場では得られないような体験が満喫できるイベントとなった。

さらに23年には「ゴルフ×旅行」の施策も月1回のペースで予定している。思い出に残る景色が楽しめるゴルフ場でのラウンドと観光がセットになったゴルフ以外も楽しめるツアーになっている。しかもキャディバッグなしで国内旅行ツアーに参加し、「ゼクシオ」のフルセットをレンタルでき、ゴルフがある一日を満喫できるという試みだ。

川松本部長はそれぞれの意図について、「新しい『ゼクシオ』のブランドイメージを伝えるキーワードは“EXPERIENCE THE DIFFERENCE”。私たちはこれを“経験できない体験を”と訳しています。これから、さまざまな経験できない体験を提案していくつもりです」と説明する。

初心者がラウンド中にアプリで学ぶ

ゼクシオ「リブランディング宣言」の新展開イベントではレッスン＆フィッティング体験も行われた（撮影：角田慎太郎） — イベントではレッスン＆フィッティング体験も行われた（撮影：角田慎太郎）

ダンロップが提供するゴルフライフサポートアプリ「D-GOLF」も進化をしている。スコア管理がメインとなるが、プレーの内容やショットの傾向について分析する機能や、ゴルフ上達のためのヒント集などを搭載。さらに10月には“音声アドバイス”という新たな機能を発表した。
「これは、例えばラウンド中“あごの高いバンカーに入ってしまい、どうやって打てばいいか分からない”という時に、アプリが音声でのやりとりでアドバイスしてくれる機能です」

これまでなら一緒に行った上級者が教えてくれたものだが、ゴルフ場でのシーンも変わってきた。「最近、練習場で見る光景ですが、ほとんどゴルフをしたことがない様子の女性ゴルファーたちが、スマホで動画を見ながら互いに教え合っていました。少し前までは考えられない光景ですよね」。ラウンド中にアプリからアドバイスをもらうという、新しいゴルフの楽しみ方を提供していこうとしている。

アートワークに込められたゴルフを軸にする人間模様

ゼクシオ「リブランディング宣言」の新展開わたせせいぞう氏のアートワークにはゴルフを軸にした人間模様が描かれている（撮影:岡崎健志） — わたせせいぞう氏のアートワークにはゴルフを軸にした人間模様が描かれている（撮影:岡崎健志）

「リブランディング宣言」に合わせて、イラストレーターで漫画家のわたせせいぞう氏がアートワークを手掛けた。さらに、このイラストと連動した漫画「はじまりの響き」（「ゼクシオ」のブランドサイトで公開中）には「ゼクシオ」の世界観が詰まっている。イラスト内には描かれていないが、久々に集まった男女4人がラウンド後も笑顔で過ごす姿が思い浮かぶのだ。

コースの中にも外にも広がる、一人ひとりにとってのゴルフの新しい楽しみ方。たどり着く先は違っても、「ゼクシオ」が提案する“経験できない体験”は、その道しるべとなる。