唯一無二の“ツアー仕様”スパイクレスの地位を確立するまで
プロは足裏からコース情報を感じ取る
また、スパイクレスには地面を感じやすいというメリットもある。
「スパイクが付いたシューズに比べ、スパイクレスは重心が低いのが特徴です。また『PROSL』シリーズはスニーカータイプのシューズに比べ、つま先側に反りのないフラットな作りなので、足裏全体で傾斜を感じることができます。我々がゴルフシューズの専門メーカーとして、機能を追求してきたからこその形状です。そこが、世界中のプロに信頼され、世界トップツアー使用率ナンバー1のスパイクレスとなっています」
足裏でグリーンの傾斜を読む代表的なトッププレーヤーがアダム・スコット。ゴルフファンなら顔の前に手をかざしラインを読む姿が思い浮かぶはず。彼もまた「PROSL」シリーズの愛用者だ。
「ツアーでは地面の硬さや芝質、アップダウンの多さなどコースの条件によって、スパイク付きのシューズとスパイクレスを履き替える選手も増えてきました」。直近のメジャー「全英オープン」を制したキャメロン・スミスもその一人。全英ではスパイク付きのシューズを着用していたが、「PROSL」シリーズでプレーする機会も多い。状況に合わせて、それぞれのメリットをうまく享受しているというわけだ。
「大きく変えないで」という要望が信頼の証
また、2022年2月から販売をスタートした最新「PROSL」の開発段階では、多くのツアープロがテストに参加。「プロのリクエストの多くは『大きく変えないでほしい』というものでした」。これが何よりの信頼の証。機能性にも直結するアッパーのデザインや独自のソールの3層構造などは3代目をそのままブラッシュアップし、現行の4代目へと進化した。
新シリーズは、ツアーで最も使用されている「PROSL CORE」、ソールにカーボンプレートを搭載した「PROSL CARBON」に加え、9月には「PROSL SPORT」がラインアップされた。
選択肢が広がり全競技志向のゴルファーに適する
「PROSL SPORT」は、シリーズのアップデートを求められない中でも「よりパフォーマンスを向上できることはないかと細部まで見直しました」との思いから生まれたモデル。
アッパーに新採用のメッシュ素材を使い、足に直に当たる部分のフィット感を向上させた。メッシュのやわらかくて変形しやすい弱点は、表面に特殊な極薄PUコーティングを施し、必要以上に伸びないように補強。いまだかつてない快適性と安定性を高次元で両立している。
「今まで『PROSL』を本格的すぎると敬遠していた方こそ、『PROSL SPORT』を履いていただきたいです。『PROSL』の世界基準パフォーマンスはそのままに、その軽量性、快適性・フィット感にきっと驚いてもらえると思います。スニーカータイプから初めて本格的なゴルフシューズに移行する方にも適しているので、今まで着用していたゴルフシューズとの違いを必ず感じていただけるでしょう」
かつて主流だったスパイクシューズから枝葉を分け、独自の進化を続けているスパイクレス。ツアーレベルから一般ゴルファーに至るシューズの選択肢を大きく広げた足元の改革は、これからも続いていく。