フォーティーン特集
2022/05/05

50インチの試作品もあった長尺ブームの原点「ゲロンディー」

連載:語り継がれる名器の系譜 ~常識のルーツ~

いまも受け継がれる「ゲロンディー」の系譜

長尺モデルに合わせて太く設計されたシャフトとグリップ

弱点の克服に向けて、ゲロンディーには長尺特有の振りにくさや、ミート率の低下を解消する工夫が凝らされていた。「手を使い過ぎないようにグリップが太くなっています。そのためにシャフトも専用設計で太く、ねじれに強い。弱点を補うような設計です」。その後、飛ばしの潮流は高反発に移り、長尺ブームは長く続かなかったが、当時としては飛距離を追い求めた最高峰のクラブだった。

「ゲロンディー」の血統は最新フェアウェイウッドにも受け継がれている

長尺の元祖であり、代名詞となったゲロンディーはモデルチェンジを繰り返し、現在も後継モデルが発売中。昨秋に登場した「ゲロンディーDX-001」はヘッドの軽量化により、さらなる振りやすさを実現させ、飛距離を追い求めるゴルファーに支持されている。

大切なのはゴルファーに寄り添う物づくり

数々の名器とともに時代を切り開いてきたフォーティーンの姿勢は今も変わることはない。「名器は作ろうと思って作れるものではありません。大事なのはゴルファーを見て“ものづくり”をしていくこと。何が必要なのか、どんなものがあれば助けられるのか、そこだけだと思います」。根底にあるのは社名に込められた「すべてのゴルファーにベストな14本を」という信念だ。

2009年入社の三好。初代「ゲロンディー」に衝撃を受けたひとりだった

一人ひとりのゴルファーに目を向ける姿勢は、直接企画や開発に携わらないスタッフにも浸透している。営業部主任の三好海土は「お客様との距離を縮めることをテーマにしています。1時間の予約制で行っているフィッティングでは商品の紹介をするはずが、目標やプレースタイルなど、ゴルフの話が広がってしまって時間をオーバーしてしまうことがほとんど。そうしたお客様との対話の中で感じたものを商品にフィードバックしていきたいと思っています」と話す。業務の垣根を超え、世代を超えて受け継がれているものが、次の名器へとつながっていく。

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