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フォーティーン特集
2022/04/21

中空構造と有用性 クラブ史に多大な影響を与えた「HI-858」

連載:語り継がれる名器の系譜 ~常識のルーツ~
fourteen_column_02_01 現在に至るユーティリティ浸透の源流。語り継がれる名器の一つ「HI-858」
現在に至るユーティリティ浸透の源流。語り継がれる名器の一つ「HI-858」

昔はユーティリティ(UT)なんてなかった――。こんな言葉を口にするベテランゴルファーもいるだろう。UTは誕生から約30年、一般化してからは20年程度とゴルフの長い歴史においては新しいジャンルのクラブだ。世界のトッププロから一般のアマチュアまで多くのゴルファーがUTを手にするようになる過程では、日本から生まれた名器が大きな影響を与えていた。

ロングアイアンが打てないアマチュア向けの“お助けクラブ”という当初のイメージを一変させたのが、1999年にフォーティーンから誕生した「HI-858」。国内ツアーで、さらには海外メジャーで、この一本の中空クラブが大きく脚光を浴びたのだ。

「あのクラブは何なんだ?」

「2001年の『三井住友VISA太平洋マスターズ』でした。まだアマチュアだった宮里優作さんが18番パー5の左のクロスバンカーから2オンに成功したんです。優勝争いをしていたのでテレビ中継にも大きく映って『あのクラブは何なんだ?』とプロの間でも注目されました」。フォーティーン営業部マーケティング担当主事の池田純は当時をこう振り返る。

fourteen_column_02_02 使用プロの活躍が脚光を浴びる契機となった
使用プロの活躍が脚光を浴びる契機となった

さらに翌02年「全英オープン」では、アーニー・エルスがHI-858を手にして優勝を飾る。海外メジャー覇者が使用したモデルとして、その名を世界に轟かせると同時に、特殊なお助けクラブだったUTを14本の流れの中の一本に変える転機となった。

中空構造とアイアン型UTが続々と

プロの使用で人気に火が付いたHI-858だが、もともとはアマチュア向けに開発されたクラブだった。「中空アイアンとして開発され、2番からSWまで揃っていました。そのなかのロングアイアンがやさしいと、プロがUTとして使用するようになったんです」。アマチュア向けに開発したクラブをプロが使用し、そこからアマチュアに人気が広がるという流れはウェッジの名器「MT-28」と同じだった。

fourteen_column_02_03 中空構造によって重心設計の自由度が飛躍的に向上した
中空構造によって重心設計の自由度が飛躍的に向上した

HI-858はボールの上がりやすさが大きな特徴。創業者でクラブデザイナーの竹林隆光は以前から開発に力を入れていた中空構造によって、深くて低い重心位置を実現させた。中空構造のアイアン型UTはその後、多くのメーカーが製造し、近年はフルセットの中空アイアン発売も相次いでいる。OEMで他社の設計を手掛けていた時代を含めると竹林は30年以上も、時代を先取りしていたことになる。

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