フジクラ特集
2023/06/05

サッカー元日本代表・城彰二さんの深すぎるゴルフ愛とシャフト愛

連載:老舗シャフトメーカーが誇る伝統と新たな血統

■軟鉄鍛造の小ぶりなマッスルバックをこよなく愛する

道具にもこだわりがある(撮影:角田慎太郎)

ゴルフを始めたころは「道具なんてなんでも同じ」「打てれば一緒」と思っていたが、上達していろいろなヘッドやシャフトを試すうちに“違い”を感じ取れるようになってきた。好むのは「打感が軟らかいクラブ」「シャープな顔」。

「今はやさしいクラブがたくさんありますが、あえてハードなほうに行くというか、どうしても見た目から入っちゃう。だからアイアンは、軟鉄鍛造の小ぶりなマッスルバック。キレ味が鋭くて“スパッ”と抜けるイメージ。ドライバーは、外ブラ系の多くは弾きが強くて確かに飛びますが、ボクは打感がソフトでつかまえて飛ばせるのが合う」

以前は、ロフト8度のドライバーを使ったこともあるツワモノ。今は新しいクラブに興味が湧いて、気になったらとりあえず試打をするし、そうすることもゴルフの楽しみの一つになっている。

■エースドライバーに挿した“黒ベン”に絶大な信頼感

試打データは、ヘッドスピード最速48.7m/s、ミート率1・49と効率的で飛距離はドローもフェードも273yd超を記録(撮影:角田慎太郎)

マイギアの中でもお気に入りのシャフトが、ドライバーに挿すフジクラの「ベンタス ブラック」。スペックは「6・X」だ。シャフトを選ぶときの基準は振りやすさ。「このシャフトは振りやすくてタイミングが合います」と愛用している。

それまで、純正シャフトのSを挿して“しなり”を生かして打つことにチャレンジしていたが、「タイミングが合えばかなり飛ぶけど、ズレると球が吹け上がったりチーピンが出たりした」。

「ベンタス ブラックにしてからは、ミート率が上がって安定して飛びます。弾道は、左に引っかかりづらくて“パワーフェード”が出やすいし、高さが抑えられて前へ行きランも伸ばせる。こういうつかまりを抑えたシャフトでドローが打てればチーピンが出ないかなと思いましたが、やっぱりたまに出ちゃう(笑)。でもそれは打ち方の問題」

■アマチュアから世界のトップまで幅広いユーザー

1Wには「ベンタス ブラック」、3Wには「スピーダー NX グリーン」を挿す(撮影:角田慎太郎)

シャフトの知識も素人離れしている。「世界のトッププレーヤーが挿すシャフトを使いたいとボクも思います。『ベンタス』はアメリカのフジクラが作ったと聞いていますが、PGAツアーで得たデータやリクエストをもとに高度なテクノロジーを駆使して、たたいて飛ばせるシャフトができたんですね」

3Wには「スピーダー NX グリーン」の「60・S」が入る。「このシャフトは、やや軽めで少し軟らかさもあって程よい動きがあります。フジクラのシャフトには『スピーダー エボリューション』のように“弾いて初速が上がって飛ぶ”というイメージがあります。それでいてベンタスやスピーダー NXなど、タイプが違うシャフトが開発されている。懐の深さを感じますね」

もっとも、「試打会とか量販店に行っても、ボクが打ちたいスペックのシャフトがあんまり置いてない」となかなか試す機会がない。「これから暖かくなるので『7・X』を作るのもアリかな。『ベンタス ブルー』も試してみたいし、『TR(ブラック)』も興味があるし、悩んじゃいますね」。ハードヒッターならではの悩みはまだまだ深い。

城さんの興味深いセッティングは(撮影:角田慎太郎)

<城 彰二さんのクラブセッティング>※取材時
ドライバー:ブリヂストン B2(9.5度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS BLACK(6・X)
フェアウェイウッド:バルド CORSA(3番15度)
シャフト:藤倉コンポジット SPEEDER NX GREEN(重さ60g台、硬さS)
フェアウェイウッド:ブリヂストン JGR(5番18度)
ユーティリティ:ロマロ タイプR(4番24度)
アイアン:本間ゴルフ ツアーワールド ローズプロト(5~10番)
ウェッジ:タイトリスト ボーケイ SM9(48度)、エポン(54、58度)
パター:オデッセイ ホワイトホット #5
ボール:タイトリスト V1x

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