長所を引き継いで正常進化 タイトリスト TSR3 ドライバー
【ホッシー】
「TSR3 ドライバー」は、PGAツアーでモデル別使用率ナンバーワンを獲得した「TSi3 ドライバー」の後継モデルで、すでに多くの選手がスイッチしているようです。ツルさんは「TSi3」を購入して使っていましたよね。
【ツルさん】
今でも所持していますよ。「TSi3」は構えやすいヘッド形状と吸い付くような打感を備えながら、ボール初速を出しやすく、強弾道で飛ばしやすいなど、いろいろな良さがあります。あえて簡潔にまとめると、既存のタイトリストユーザーが待ち望んでいたドライバーを見事に具現化したモデルです。現時点で、これ以上はないと思えるぐらい上級者のニーズにマッチしたドライバーでした。
【ホッシー】
ツルさんがベタ褒めする「TSi3」が「TSR3」になったわけですが、構えたときのヘッドの見た目はソックリですよね。ソール面を見ると凹凸のないデザインになっていて、前作よりもツルンとしているのが特徴的です。
【ツルさん】
新旧のモデルを並べてよく観察すると、クラウンのトウ側のふくらみ方が少し違っていたりしますが、構えやすさは変わらないですね。あと、TSRシリーズ全般にいえる部分ですが、フェース面のグラフィックがTSiシリーズから少し変更されていて、構えたときにロフトがよく見えるようになっています。新シリーズでソール面の凹凸をなくしたのは、空気抵抗を少なくする目的があるそうです。
【ホッシー】
装着されているシャフトは、標準採用のオリジナル「TSP310 60」のフレックスS。では、前作「TSi3」の性能をよく知っているツルさんから試打をどうぞ!
【ツルさん】
前作からは、打感が少し変わりましたね。少し弾き感のある打音になっています。とはいえ、球持ち感というか、ボールがフェースにくっつくようなフィーリングはきちんと残されています。ヘッド挙動や弾道は、前作からほとんど変わっていないと思います。僕がロフト角10度のモデルを打つと弾道が高めになるので、ネックの調整機能を使ってロフトをマイナス0.75度に、さらに球が右に飛び出すのを防ぐためにアップライトの設定にして使いたくなりました。このあたりも前作と同じです。
【ホッシー】
構えてみると、ヘッド形状がスッキリしていて、昔ながらのタイトリストという感じ! 僕はけっこうミスショットを打ったのですが、思ったほど球が曲がらず、持ちこたえてくれる印象を持ちました。そこまで難しいモデルではないですね。
【ツルさん】
市場には浅重心設計で低スピン弾道を打ちやすくしたドライバーがあって、そういったモデルはヘッドが機敏に動きます。それらと比べると、「TSR3」はマイルドなほうです。操作性はあるけれど、扱いにくい“きかん坊”ではないということです(笑)。なので、ホッシーのように意外と打ちやすいというゴルファーは多いと思いますね。ただし、前作同様に引っかけにくいヘッド性能なので、スライサーにはオススメしません。標準装着されているシャフトはつかまり系なので、判断しにくいところですが…。
【ホッシー】
この「TSR3」は、前作からフェース設計が変わったという話も聞いています。
【ツルさん】
同シリーズの「TSR2」や「TSR4」と異なる、「TSR3」専用の「スピードリングVFT」というフェース偏肉設計が採用されています。これは、スイートスポットでヒットしたときに最大限のボール初速が得られるという設計なんです。つまり、芯をくったときに一発の飛距離を出せるわけです。
【ホッシー】
逆に芯を外して打ってしまうと、大幅に飛距離が落ちる?
【ツルさん】
僕もほとんど芯を外して打っていますが(笑)、そこまで距離が落ちる印象はありませんでした。心配するほどではないと思いますよ。これまで「TSi3」を使っていたPGAツアー選手たちが、こぞってスイッチしているのは、やはり新しいフェース設計の効果を得ているからでしょう。いつも芯で打てる上級者ほど、飛距離アップの恩恵を受けられるのが「TSR3」です。評判が良かった前作の基本性能をあえて変えずに、上級者に合わせて正常進化させたモデルといえます。
■ 試打したクラブのスペック
タイトリスト TSR3 ドライバー
●番手(ロフト角):10度 ●シャフト:TSP310 60 ●硬さ:S
■ マイクラブ情報
ホッシー:テーラーメイド SIM MAX ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:Tour AD PT-6 ●硬さ:S
ツルさん:キャロウェイ ローグ ST MAX ドライバー
●ロフト角:9度 ●シャフト:VENTUS TR BLUE 6 ●硬さ:S
■ ホッシー プロフィール
1978年生まれのGDO編集部員。以前に「ゴルフガレージ」で店舗スタッフをしていた経験があり、過去のゴルフクラブ情報にも詳しい。ドライバーのヘッドスピードは47m/sとアマチュアゴルファーにしては飛ばし屋。けれど、球が左右に散らばるのが悩み。持ち球は低めのフェードでアイアンも低弾道。平均スコアは95くらい。
■ ツルさん プロフィール
1974年生まれ。シングルの腕前を持ち、ギア関連の記事を多く手掛けるゴルフライター。ライフワークとして、日々ゴルフの最新情報を収集している。ドライバーのヘッドスピードは45m/s前後。たいていカラダのどこかしらの箇所が痛く、自由にスイングできないのが悩み。いつもスイング改造中。現在の持ち球は中弾道のフェード。