新製品レポート

「Tシリーズの中で一番好きかも…」 やさしいのにカッコいい“ズルいアイアン” タイトリスト「T200」(2023年)

2023/09/25 07:00
ソールが進化して抜けが良くなったT200

タイトリストから発売された新「Tシリーズ」アイアン。「T100」「T150」「T200」「T350」の4機種が出そろった。その中で今回紹介する「T200 アイアン」は、前作でもアスリートゴルファーだけでなく、中級者やシニアゴルファーからも人気のモデル。今作でヘッド構造が大きく変わった性能についてギアの知識が豊富なミタさんが解説。そして300ydヒッターのヨシダくん(HS50m/s)、シニア世代のベテラン・シオさん(HS40m/s)に試打してもらった。

クラブの特徴は?

【ミタさん】
今回紹介するのは、デザインもヘッド構造も一新した「T200 アイアン」です。

【シオさん】
とてもカッコいいですね! まだ打つ前ですが、“かっこよさ”の評価は満点です

【ヨシダくん】
私は普段小ぶりなヘッドを使っているので、「T100」「T150」の方がタイプですね。ちなみに、どのような点が進化したのですか?

PGAツアーではロングアイアンとして使う選手も

【ミタさん】
前作の「T200」はボールスピードを重視した弾き系の打感でしたが、今作はシリーズのコンセプトが「FEEL」となっており、打感の良さを追求しています

【ヨシダくん】
正直、前作はデザインも打感もタイトリストらしさがあまり感じられなかった印象です。でも、ヘッド構造は前作と同じ中空ですよね。どのように打感を改善したのか気になります。

【ミタさん】
そこが最大の進化ポイントで、今作ではPGAツアー選手が求めるレベルの打感を実現しています。前作同様に中空ボディの内部にはシリコンバーとそれを支えるサポートバーがあるのですが、それをフェース面に近づけたことによって、インパクト時の打感がダイレクトに伝わるようになり、打球音もクリアになりました。

【シオさん】
PGAツアーではロングアイアンとして「T200」を入れて、それ以下の番手を「T100」にしている選手が何人かいますよね

【ミタさん】
ブレード長とオフセットは「T100」とほぼ同じです。さらに前作では「T100」のみに搭載していた抜けの良いソール形状を今回は「T200」にも採用しています。インパクトでの抜け感が似ていることも、コンボセットで使う選手が増えた要因だと思います。

【ヨシダくん】
PGAツアーの選手が「T200」を使うのはちょっと意外でした。その理由を試打して検証してみましょう。

試打した印象は?

トップラインはやや厚く、ネック周りがスッキリした

【シオさん】
構えた印象は前回試打した「T150」とほとんど同じで、少しトップラインが厚くなったかなという感じです。ただ、打感と飛距離については、違いを感じました。

【ミタさん】
打感はどのような感じでしたか?

【シオさん】
弾き系ではなくて、柔らかくて食いつき感があります。そこまでは「T150」に近いフィーリングですが、「T200」は食いついた後に芯があってボールに伝わるパワーが強い。柔らかい中にも力強さを感じました

シオさんとヨシダくんの「T200 アイアン」(7番30.5度)試打データ

【ミタさん】
試打データを見てみると、「T150」より10~15ydくらい飛んでいましたね

【シオさん】
私にとっては、今まさに欲しい飛距離です。数年前から飛距離が落ちてきて、もう少しキャリーで飛ばしたいと思っていたので、ちょうどいい距離感でした。これだけスッキリした形状なのに、ミスヒットに強くて寛容性が高い。個人的には「Tシリーズ」の中で一番良かったです

前作のT200アイアンと見比べるシオさん

【ヨシダくん】
たしかに顔が良くなりましたね。前作の「T200」と比べてネック周りがスマートになったので、構えやすくなっています。ただ、私の場合はロフト以上に弾道が高くなってしまい、「T150」より飛距離が落ちてしまいました。

【ミタさん】
ヨシダくんには「T200」の7番アイアンを実戦で使うのは難しそうですね。今作ではトウ側とヒール側に高密度のタングステンを内蔵しているので、打球がより上がりやすくなっています

【シオさん】
私のヘッドスピード(ドライバーでHS40m/s)で、ちょうどいい高さでした

【ヨシダくん】
でも5番アイアンは打ってみたいなと思います。この寛容性がロングアイアンにも継承されていたら、180~190ydを楽に狙えそうです

まとめ

スッキリとした見た目と寛容性を併せ持つ。様々な用途で使える万能アイアン

【ミタさん】
HS40m/sのシオさんが6項目中4項目で満点をつけた「T200 アイアン」。タイトリストのアイアンの中で最も幅広いゴルファーにマッチするモデルだと思います。特にシニア世代になって飛距離が落ちてきた人には10yd前後をリカバリーしてくれる理想的な“ちょい飛び系”になっています。一方、HS45m/s以上になると、ミドルアイアンは打球が上がりすぎてしまうので、ロングアイアンでの投入を検討してみると良いでしょう。

【シオさん】
これまでタイトリストのアイアンを使うことが多かったこともあり、今年打ったアイアンで一番好きでした。タイトリストらしいカッコいい顔や食いつき感のある打感に、イマドキのアイアンの飛距離を融合した印象です

ハードヒッターのヨシダくんは「ロングアイアンとして入れようかな…」

■ 試打したクラブのスペック

タイトリスト T200 アイアン(2023年)
●番手(ロフト角):7番(30.5度) ●シャフト:N.S.プロ105T ●硬さ:S

タイトリスト T200 アイアン(2023年)

■ ミタさん プロフィール

1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

■ ヨシダくん プロフィール

1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

■ シオさん プロフィール

1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。

タイトリスト
発売日:2023/08/25 参考価格: 165,000円