“フューリックネック”って知ってる? マニアが惚れ込んだ大型ヘッド/オグさんのPUTTER偏愛日記#13

オグさんのPUTTER偏愛日記
パターマニアが手放さない大型マレットモデル4選

前回に引き続き、私の所有するパターの中から特に気に入っているモデルをご紹介します。今回のテーマは大型ヘッド。私はあまり大きなヘッドを好まないのですが、それでも過去に何本か気に入って使用していたものがあり、その中から4モデルを選びました。

私のストロークはインパクトをやや強めに作るタップ式に近いのですが、重心が深い大型ヘッドを使うと距離感が作りづらく、タッチが合わないことが多々あります。そのため、大型ヘッドでも比較的重心の浅いモデルが好きですね。

■G5i UG-Le(アグリー)[ピン]

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G5i UG-Le

求ム!後継モデル

2005年に発表されたピン「G5i」シリーズの1本。アルファベットのHのような形状のボディにセンターシャフトの組み合わせが最大の特徴。マレットタイプでありながら、適度な操作性とミスへの強さ、そして構えやすさが同居するパターです。なんで後継モデルが出ないのか不思議です。

LPGAツアーでカリー・ウェブが使っていて、ロングパットを次々と沈める姿に惚れ込み、思わず購入しました。当時の私はセンターシャフト派でしたが、調子の波が激しく、さまざまなモデルを試し続けていた時期でもあります。実際に使ってみると、細めのブレード形状と長めのアライメントラインのおかげで、ターゲットに非常に合わせやすく、アドレスがすっと決まるのが印象的でした。マレットなので重さを感じるかと思いきや、センターシャフトらしい直感的な打ちやすさもあって、気づけばかなり長い期間愛用していました。

今でも、パターがどうにもならないときに頼る“お守りパター”のような存在です。調子が落ちたときは練習でよく使いますし、時々コースにも投入しています。このモデルは中古市場でもまだ見かけるので、ミスに強く、構えやすいセンターシャフトを探している方にはぜひ試していただきたい一本です。

タイプ:センターシャフト・オフセットなし・大型マレット
ボディ:17-4ステンレス
インサート:ポリウレタン
発売年/入手年:2005年/2006年あたり
所有スペック:長さ33インチ、クラブ重量538g(実測)
レア度:★★★☆☆(3/5)
LOVE度:★★★★☆(4/5)

■スパイダーGT トラスTM2[テーラーメイド]

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スパイダーGT トラスTM2

意外と少ないハーフオフセットのセンターシャフト

2022年に登場した、やや小ぶりなスパイダー「スパイダーGT」シリーズに、あの三角ネック「トラスホーゼル」を初めて組み合わせた話題のモデル「Spider(スパイダー)GT TM2 パター」です。もともと重心が深くミスに強い「スパイダー」シリーズに、コンパクトで適度な操作性を備えた「スパイダーGT」が追加された段階で興味津々だったのですが、そこへ当時大ブームだった「トラスホーゼル」との融合モデルが発売され、「これは買うしかない」と即注文。クランクネック風の「TM1」と、センターシャフトでハーフオフセットの「TM2」があり、迷うことなくTM2を選びました。

センターシャフトでハーフオフセットという仕様は意外と珍しく、ミスへの強さはそのままに、つかまりの良さも光ります。実際に使ってみると、狙いにいった時に“つかまりすぎる”こともあるほどで、右に抜けるミスが増えた時の頼れる一本になっています。

タイプ:センターシャフト・ハーフオフセット・小型マレット
ボディ:6061アルミニウム+303ステンレススチール+タングステンウエート
インサート:ピュアロール(アルミニウム+樹脂)
発売年/入手年:2022年/2022年あたり
所有スペック:長さ33インチ、クラブ重量550g(実測)
レア度:★★☆☆☆(2/5)
LOVE度:★★★☆☆(3/5)

■ホワイト・ホット 2-Ball CS[オデッセイ]

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ホワイト・ホット 2-Ball CS

センターシャフトにハマったきっかけはコレ

2001年に「ホワイト・ホット」シリーズが登場して以降、さまざまなヘッド形状を追加しながら長く愛された名シリーズとなりました。多くのツアープロが各モデルを手にして活躍し、特に2ボールのベントネックモデルは、アニカ・ソレンスタム宮里藍選手が使用していたことで広く知られています。

私自身、ゴルフを始めた当初からパターというクラブが好きでしたが、本格的に“パター沼”にハマるきっかけとなったのがこの“2ボールセンター”です。ずっとパッティングに悩んでいたものの、このモデルに出合ってからは球の打ち出し方向が安定し、左へのミスが減ったことで一気に自信がつき、以降センターシャフトを選ぶことが多くなりました。
初代の2ボールは重心がそれほど深くなく、操作性が良い点が大きな魅力。ヘッド自体が軽めだったので、当時はソールのくぼみにかなりの量の鉛を貼って使っていました。その後も2ボールシリーズは何度か復刻されましたが、センターシャフト仕様が少ないうえ、ラインアップにあっても重心が深いものが多かったため、復刻版には手を出さずにいます。

タイプ:センターシャフト・オフセットなし・小型マレット
ボディ:ステンレススチール
インサート:ウレタン
発売年/入手年:2001年/2002年あたり
所有スペック:長さ33インチ、クラブ重量507g(実測)
レア度:★★★☆☆☆(3/5)
LOVE度:★★★☆☆(3/5)

■ツアーオーセンティック マークスマン224[オデッセイ]

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ツアーオーセンティック マークスマン224

限定品のフューリックネック

2008年に発売された限定モデル。ツアープロの要望から生まれた「ツアーオーセンティック」シリーズの1本で、通称「フューリックネック」と呼ばれていたモデルです。量産モデルの「ホワイトホットXG マークスマン」がシルバーカラーでベントネックだったのに対し、この限定版はゴールド仕上げにショートネックを組み合わせた特別仕様でした。

当時、第一線で活躍していたジム・フューリックのワンオフ仕様が市販されると知り、散々迷った末に購入を決意しました。定価は3万8000円(通常モデルは2万2000円!)と、当時のパターとしてはかなり高価でしたが、どうしても手に入れたかったのです。大型マレットとショートスラントネックの組み合わせは、今でこそ珍しくありませんが、当時は非常にレアで、実際に使ってみたいという気持ちを抑えられませんでした。使ってみると、操作性とミスへの強さのバランスがよく、想像以上に扱いやすかったです。ただ、操作性をもう少し高めたかったことと、ヘッドがやや軽く感じたこともあり、フェース裏のくぼみに鉛をべったり貼っていました。今でも時々使っており、リシャフトしたりネックの角度を変えたりと、手を加えて楽しんでいる愛着深いモデルです。

タイプ:ショートスラント・ハーフオフセット・大型マレット
ボディ:ステンレススチール
インサート:ウレタン
発売年/入手年:2008年/2008年あたり
所有スペック:長さ33インチ、クラブ重量548g(実測)
レア度:★★★★★(5/5)
LOVE度:★★★★☆(4/5)

複数のパターを使い分けるメリットがある

ラウンドで使うパターは1本だけですが、実は何本か持っておくととても役に立ちます。季節やコースによって変わるグリーンの速さ・芝質に合わせて使い分けたり、調子や気分で持ち替えたりすると、パッティング全体の調子を保ちやすくなるからです。

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エースパターで調子を崩したり違和感を覚えたりしたら、別のパターにスイッチすると効果的

また、パターはヘッドやネックの形状の自由度が高く、他のクラブよりも個性豊かなモデルが揃っています。単にボールを転がすだけのクラブではありますが、そのわずかな違いが打感や転がりに大きく影響し、その差を楽しみながら“自分に合う一本”を探し続けるのは本当に面白い世界です。

私自身、これからも「欲しい」と思ったパターは、できるだけ手に入れていきたいと考えています(もちろん財布と置き場所と相談しつつ…)。まだまだご紹介したいコレクションがありますので、また機会があればお付き合いいただければ幸いです。

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小倉勇人(おぐら・はやと) プロフィール

ゴルフショップ「ゴルフフィールズ ユニオン」店長。クラフトマン、クラブフィッター、さらに雑誌やウェブ記事の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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