Sansan特集
2022/08/18

音楽とゴルフ 常識を疑う“仕掛け人”が生んだ観戦スタイル

連載:出会いのチカラ ~つながりが生むイノベーション~

アイデアの実現を後押しした選手たちの反応

前例のないことをいきなり始めると混乱を招くもの。そこで、プレーする選手たちにもヒアリングを行った。「静かなところで急に音がするのはダメだけど、ずっと流れていれば気にならない」という意見が主流。好意的な声も多かったことで、事態は大きく進展した。

「DJホール」では軽快なミュージックが流れ続ける(大会提供)

プレー中に音楽をかけることにGOサインは出たが、何しろ初めての試みだ。適正なボリュームが誰にもわからない。そして迎えた2017年大会。蝉の鳴き声しか聞こえない初日スタート前、実際に音楽を流して日本ゴルフツアー機構・青木功会長の判断を仰ぐことになった。

うるさいよ!と一喝されるかもしれない…。そんな心配は杞憂に終わった。「音が小さい。もっと(ボリュームを)上げろ」。青木会長のひと声により、にぎやかな音楽とゴルフが融合する日本初の大会は無事にスタートした。

「フェニックスオープン」16番のような名物ホールに

1番と10番のスタートホールでは、選手自身が選ぶテーマ曲で入場。野球や格闘技のように選手は胸を高ぶらせ、ギャラリーの拍手も自然と大きくなる。「入場曲を流すことで、お客様が『この人は何でこの曲?』といった具合に興味を持ってもらうきっかけになりますよね」。大保のアイデアには、ギャラリーにさまざまな選手への関心を高めてもらう狙いもあった。

入場曲とともティイングエリアに登場する選手たち(大会提供)

特定のパー3ホールでは常に音楽を流し、DJとギャラリーが「ホールインワン」コールで選手をあおる。安全策を取ればブーイングが沸き起こるが、敵意はない。あくまで楽しむための演出。だからこそ選手も自然とテンションが上がり、バーディを奪えば気前よくボールをプレゼントするなどのパフォーマンスで自己表現するようになった。

ギャラリーと選手がより一体になれる空間作りが、さらなる熱狂を生み出す。目指しているのは、「フェニックスオープン」16番のような世界一盛り上がる名物ホールに仕立て上げること。ことしは、12番パー3がその舞台となる。

「第一歩」を踏み出した次なる施策は?

音楽とゴルフツアーを掛け合わせる新しい観戦スタイルはすっかり定着し、ことしで6年目(2020年大会は中止のため開催は5度目)の夏を迎える。選手と主催者が協力し合ってトーナメントを盛り上げる、これまでになかった形の「第一歩になったかな、とは思っています」と自負する。

「第一歩」というからには、大会は完成形ではない。「8月ですから、日本の夏の行事らしい何かをやれたら。これからも発展していきますよ」。次は、どんな出会いでサプライズを起こすのか。「Sansan KBCオーガスタ」は今後も進化を続けていく。

トーナメント担当の第一線からは退いたが、変革に向けた意思は受け継がれていく(撮影:沼田侑悟)

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「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント2022」に特別協賛しているSansanは創業以来、「ビジネスの出会いの価値」に向き合い、サービスを提供してきました。

そして現在は、人と人の出会いの証である名刺だけにとどまらず、クラウド請求書受領サービス「Bill One」やクラウド契約業務サービス「Contract One」など、企業と企業の出会いの証である請求書や契約書といった領域でも新たな事業の創出とその拡大に取り組んでいます。

Sansanは、ビジネスフローにおけるさまざまな分野において、人や企業との出会いをビジネスチャンスにつなげる「働き方を変えるDXサービス」を提供するとともに、出会いそのもののあり方を変えるようなイノベーション創出に今後も挑戦し続けます。

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