「出会い」のプロフェッショナルに聞くゴルフが秘める魅力
ゴルフというスポーツにはラウンドを通じて人と人の結びつきを強め、関係性を深められる魅力がある。「出会いからイノベーションを生み出す」ことをミッションとするSansanは、ゴルフを「出会い」創出のための重要なツールとしている企業のひとつで、2021年からは国内男子ツアー「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント」も特別協賛する。どのようにゴルフをビジネスへとつなげてきたのか。同社執行役員でビジネス統括本部副本部長の田中陽(敬称略、以下同)に、ゴルフが秘める可能性について聞いた。
ゴルフコンペを主催する理由
「それ、早く言ってよ~」
俳優の松重豊さん演じる営業部長が、パット練習に興じる社長に頭を下げながら思わずこぼすシーンに見覚えのある人は多いだろう。2017年に公開されたこのCMが、Sansanとゴルフとの最初の接点。CMで一般への認知度が高まるのと同時に、エンタープライズ企業の攻略を強化するために、大企業で決定権を持つトップ層との関係深化に有効な手段であるゴルフを本格活用し始めた。
クラウドサービスを提供するSansanはITを駆使して営業を行う一方で、リアルな出会いも大切にしており、3年ほど前から企業のトップ層を招いてゴルフコンペを主催している。田中は、その理由について「トップ層の方とアポイントを取ろうとしても、明確なアジェンダがない限り断られやすい。『週末にゴルフでもどうですか?』と言うほうがお誘いしやすいし、先方も受けやすい」と語る。
スーツを着て向かい合う日常的な折衝から離れ、ゴルフ場で「仮面を外して」(田中)リラックスした時間を共有。プレーだけでなく昼食も共にし、ビジネス以外にも様々な会話をすることで相手を深く知ることができ、より親密なつながりが生まれる。
ここで築いた関係が元で、後に商談がまとまるケースが目立ち始めた。そのため、当初は東京近郊で20人ほどの規模で行われていたコンペの人数を50~60人に増やし、開催エリアを関西まで拡大。普段はなかなか接点のない異業種の人とラウンドすることで、新たな出会いやつながりに恵まれるようになった。実績としてもエンタープライズ企業攻略に効果が見られ、ゴルフ施策の継続へとつながっている。