マーク金井の試打インプレッション

キャロウェイゴルフ HYPER X ドライバー

2008/06/10 00:00

打ってみると?

試打クラブは表示10度のRシャフトと、表示9度のSシャフト。長さは45インチだが、ヒールエンド法(※1)で計測すると実測44.5インチ。クラブ重量はRシャフトが305.4グラムでバランスがD1.5。Sシャフトが309グラムでバランスがD1.5。10度表示のリアルロフトは10.5度前後。フェースの向きは10度、9度ともほぼスクエア。ライ角度はどちらも57度前後と、今どきのドライバーにしてはややフラット気味の設定。その影響もあってアドレスすると、「捕まり」よりも「左に行かない」というイメージが出やすい。硬さの目安となる振動数(※2)は、Rシャフトが230cpmで、Sシャフトが247cpm。どちらも手元側がしっかりしているタイプで、ワッグルすると中間から先端にかけてムチのようにヒュンとしなってくれる。(長さ、リアルロフト、ライ角、振動数は実測値)

まずは10度Rから打ってみると・・・「カキーン」と金属的なインパクト音。ルール適合モデルだが、高反発的な迫力音とともにボールが飛び出す。球離れも早めで、球を捕らえた時の感触は同社の「Xー18」に似ており、ボクが普通に振ると軽いフェード弾道。見た目通り、捕まった球よりも、左へのミスが出づらい。ヘッドもさることながら、シャフトの影響も大きい。トルクが適度にあってインパクトゾーンでヘッドがゆっくりターンする。

そして、印象に残ったのがシャフト挙動。先中調子のシャフトは、ダウン後半からインパクトにかけてシャフトが鋭く加速する。切り返しで手元側のしなりを求める人には向かないが、シャフトでヘッドスピードを上げたい人には相性が良く、飛距離も稼げるドライバーだ。

弾道的には、高過ぎず低過ぎず。重心が深くても、リアルロフトがそれほど多くないのが影響しているのだろう。キャリーとランを稼ぎやすいタイプ。フェースセンターで捕らえると、スピン量は2700~2900回転ぐらい。そして、タイミング良くインパクトを迎えるとシャフトもヘッドもアッパー挙動になるので、ロフト以上にボールを高く打ち出すことができる。

スイートエリアは見た目通り広く、打点がバラついても球がバラつきにくい。9度Sに持ち替えても印象は変わらず、シャフトが硬くなることで、しなり戻りの加速感も増している。手元側が硬いので、切り返しでタメがほどけやすい人よりも、自分でタメをちゃんと作れる人が使った方が、シャフトの特性を引き出せるし、飛距離、方向性も安定させやすいだろう。

クラブを計測してみると?≫
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キャロウェイ
マイルドな打感ながら強・高弾道な飛び
発売日:2008/04 オープンプライス