ミズノ MP-630 ファーストトラックドライバー
打ってみると?
試打クラブは10.5度。シャフトは純正の「エクサ-MD-3」のSR。アスリート向けだけあってフェース角は-2度。ただし、リアルロフトは多めだ。10.5度表示でリアルロフトが11.75度。アドレスするフェース面がしっかりと見える。フレックスSRの振動数は246cpm。トルクが3.9度と少ないこともあって、結構しっかりしているシャフトだ。ワッグルすると中間部分がクイッと大きめにしなる。クラブ重量は309.8gでバランスはD2。
まずはヘッドスピード43m/sぐらいでスイングしてみると、スパーンと手に吸い付く感触とともにボールが高く上がっていく。ミズノは打感がいいドライバーを作るのが上手いが、このモデルも打感が秀逸。軟鉄鍛造アイアンを打った時のような手応えは心地良い。球筋は軽いフェード(スライドウエイトを標準位置にセットした場合)で、叩いても左に行きにくい。スピンは多過ぎず、少な過ぎず。芯を喰うと2400~2800回転。リアルロフトが多いので、ランで距離を稼ぐというよりはキャリーで距離を稼ぎやすい。
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試打して印象に残ったのがスイートエリアの広さ。シャローで面長フェースなのが影響し、打点が左右にズレてもヘッドがブレにくいのだ。ただし、スイートエリアが広いのにはデメリットもあって、ヘッドの操作性は今ひとつ。球筋を打ち分けようとしても、ヘッドの動きは鈍感。ドロー、フェードを打ち分けるよりも、左右の曲がりを抑え、直進性が高いボールを打ちやすいタイプである。
純正のSR(エクサーMD-3)シャフトは切り返しで中間部分がグニャリと大きめにしなり、ヘッドの重みを感じやすい。シャフトの挙動もシャープな感じではなく、どちらかと言うと安定志向。しなり戻りはスピーディーではなく、叩いた時に左に行きにくい。
スライドウエイトを大幅に変更して打ってみると、ヘッドの挙動がガラッと変わる。トウのフェース側にウエート2個を並べた時(ウエイトポジション9、10。重心アングル22.5度最小)はインパクトゾーンでヘッドが返りづらいのが手に伝わり、実際、球の捕まりも悪くなる。バックフェース中央部分にウエート2個並べた時(ウエイトポジション5、6。重心アングル26度最大)は、インパクトゾーンでヘッドの返りが良くなる。真っ直ぐ打つつもりでスイングしても15ヤードぐらいドローする弾道になった。
ボールが上がりやすく、スイートエリアも広いことを考えると、アスリートだけでなくアベレージゴルファーにも扱いやすい。ある程度パワーがあって、クラブでフック、スライスを軽減したい人に安心してお勧めできるドライバーだ。