ティアドロップ TDXⅢ TYPE-S チタンドライバー
打ってみると?
試打クラブは10度。シャフトはドラコンスペックを打ちやすく改良した純正の「ZS5030」。ヘッドはリアルロフトが11.5度でフェースアングルは±0度。46インチ表示だが、実測は45.75インチ(ヒールエンド法計測)。クラブ重量は302.4gでバランスはD1。硬さの目安となる振動数は242cpm。アスリート向けというよりは、どこをどうみてもアベレージ向けドライバーに近いスペックだ。ワッグルすると手元側がクイッと大きめにしなり、中間から先端側がやや硬く感じる。
アイアンでウォーミングアップをすませ、「TDXⅢ TYPE-S チタンドライバー」を持って打ってみた。カキーンと勇ましい金属音とともに1発目からぶっ飛び弾道。リアルロフトは多めなので打ち出しは高いが、スピンが少ない。ラフからフライヤーを打ったような弾道でグングン伸びていく。そして、フェースの弾きがいい。ボール初速もかなり出ているのだ。
スピンが少ない理由はショットマークを貼ってみてすぐに納得。自分ではフェース中央で捕えるようにスイングした時、ボール半分ぐらい打点が上にズレている。オートマチックにフェース上半分で球をとらえやすく、それが低スピン弾道を生み出している。スイングした感じだと、重心が浅めなこと、そしてシャフト先端側がしっかりしている分だけ、厚めに(フェース上部に)当たりやすいようだ。
弾道計測器でチェックしてみると、いい感じで捉えるとスピン量は1800~2400回転。ここまで低スピン弾道を打てるドライバーは非常に少ない。この低スピン感はまさにドラコン選手(パワーヒッター)にとっては、飛び指数を上げてくれる。
もうひとつ印象に残ったのが操作性。ヘッドの挙動は非常にシャープで操作性がすこぶるいい。挙動が敏感なのでオートマチックに真っ直ぐ飛ばすのは難しいが、ドロー、フェードを打ち分けやすい。、ただし、インからあおって打つとインパクト前にフェースが急激に被り、スピン不足のチーピン球が出やすい。
シャフトは切り返しで手元側がしなり、ゆっくりしなり戻るタイプ。ゆったり振るよりもしっかり叩いた方が挙動が安定し、シャフトの反応も良くなるタイプだ。見た目にハードな印象は微塵もないが、実際に打ってみると、平均飛距離を稼ぐタイプではなく、一発の飛びをゴルファーに味あわせてくれるドライバーだ。