マーク金井の試打インプレッション

ナイキ サスクワッチ マッハスピード ストレートフィット ドライバー

2010/05/25 10:00

打ってみると?

試打クラブは10.5度。シャフトは純正のSQ510DJ(SR)。三菱レイヨンのバサラのネーミングが付けられているが、バサラの設計コンセプトを踏襲しつつナイキオリジナルとなっている。スペックを計測すると、リアルロフトが11.5度でフェースアングルが+0.5度(ノーマルポジション)。大型ヘッドとしては平均的なスペックだ。

長さは46インチ表示だが、実測は45.5インチ(ヒールエンド法計測)。クラブ重量は296.6gでバランスはD1。硬さの目安となる振動数は233cpm。重量、シャフトの硬さ、ともにアベレージゴルファー向けとなっている。ワッグルすると、中間部分がグイッと大きめにしなり、先端側も少し軟らかめだ。シャフトに合せて軽めにスイングしてみると、芯を喰っても喰わなくてもインパクト音は迫力満点。金属的なカキーンという音ではなく、かなり個性的な音が出る。フェースは硬めの感触で、ボールの弾きっぷりがいい。

弾道計測器でチェックしてみるとスピンはやや多め。芯を喰った時でスピン量は2700~3000回転。シャローフェースなことに加え、重心位置も高めなんだろう。パワーヒッターには吹き上がる怖さもあるが、ヘッドスピードが遅めな人にはボールが楽に上がる。高弾道でキャリーを出しやすいタイプだ。低スピンで飛距離を稼ぐにはティアップを高めにし、フェース上側で捕える技術が必要だ。

そしてこのドライバーの特徴はヘッド&シャフトを脱着、再び装着する時にスペック(フェースアングル、ライ角)を8通りに変えられること。一番つかまりが良い方向にシャフトを装着すれば、フェースアングルは+3.5度で、リアルロフトは13.25度。一番つかまらない方向にシャフトを装着すると、フェースアングルは-2.5度で、リアルロフトは9.25度となる。調整できるドライバーは色々あるが、調整幅が非常に大きい。そして、実際に打ち比べてみても弾道がガラッと変わる。フックフェースの度合いを強くすると、ストレートに打っても強いフック。スライスに悩む人でも、この設定にすれば右曲がりをかなり軽減できるはずだ。対して、スライスフェースにすると捕まりづらくなる。同じドライバーとは思えないほど弾道が変わった。ちなみに、ドライバーの基本性能はオートマチック系。自分の意志がやや伝わりづらく、球筋を微妙に打ち分けることよりも、直進性を重視したセッティングになっている。

シャフトは切り返しで中間部分がグイッと大きくしなり、ゆっくりしなり戻るタイプ。ヘッドスピードに関係なく、切り返しがゆっくりしている人や、ダウンでタメがほどけやすい人と相性良い感じだ。つかまり具合は大幅に調整できるが、シャローフェースでボールの上がりやすさ、そしてライ角がアップライト。これらを考慮すると、ドライバーでキャリー不足に陥りやすいスライサーが使えば、飛距離アップを確実に狙えるだろう。

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ナイキ
空力学でヘッドスピードアップ
発売日:2010/03 オープンプライス