マーク金井の試打インプレッション

タイトリスト VG3 ドライバー

2010/06/15 10:15

打ってみると?

試打クラブはロフト9度。シャフトはフジクラ モトーレ5.0(タイトリストオリジナル)のフレックスS。9度表示でリアルロフトは10.5度。フェースアングルは-1度。アドレスするとフェースはピシッと目標を向く。

シャフトはアベレージゴルファーを意識しているようで、フレックスSにしては少しソフト。ワッグルすると中間部分から手元側にかけてしなる。振動数は250cpm。クラブ重量は301.8gでバランスはD1。長さは実測で45.75インチ(メーカー値46インチ)。長さのわりにバランスが出ていないのはヘッドがやや軽めだからだ。

まずはシャフトに合せて軽めにスイングしてみると・・・インパクトの手応えがすこぶる気持ちいい。マッスルバックアイアンを打った時のようにボールがフェースに吸い付く。そして「スパーン」という音とともにボールがゆっくり飛び出す。鍛造ヘッドにカップフェースという凝った構造も一役買っているとはいえ、音のチューニングが素晴らしい。

ヘッドスピードを46m/sぐらいに上げて打って弾道計測。打ち出し角は13~14度とやや低め。そしてスピン量は2600~2900回転。フェース中央で捕えると低スピン弾道にならない。スイートスポット位置がやや高めなんだろう。やや厚めにとらえると(フェース上側)、スピン量は2500回転前後になって、キャリーとランのバランスが良くなった。VG3の場合、ややフェース上側でとらえた方が飛ぶ弾道が打てるタイプだ。

つかまり具合はニュートラル。スクエアフェースで見た目は左に行かなさそうだが、打ってみると案外つかまる。スライサーがドローを打てるほどではないが、真っ直ぐ打てば軽いドロー弾道。挙動はゆっくりだがヘッドは返りやすい。そして、シャフトの挙動(しなり戻り)でつかまりが良くなっている。アウトサイド・イン軌道でカット打ちした時と、インからあおって打ち比べると、後者の方が曲がりが少なかった。スライサー向けでなく、ここ一番で左のミスを減らしたいタイプの人と相性がいい。

「VG3」はヘッド重量、大きさ、そしてシャフトのマッチングが素晴らしい。単純に飛距離を求めるゴルファーには物足りなく感じる部分もあるが、打感の良さは秀逸。飛距離だけでなく、感性に響くクラブを求める人にお勧めできるドライバーだ。

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タイトリスト
タイトリストから「つかまるドライバー」登場
発売日:2010/03 オープンプライス