マルマン マジェスティ ヴァンキッシュVR ドライバー
打ってみると?
試打クラブはロフト10.5度。シャフトは純正のS(ナノテク・ニューバランスシャフト)10.5度表示でリアルロフトは12.5度。フェースアングルは見た目通りフックで+1.75度とやや強めだ。ライ角もかなりアップライトで62度。左のミスを嫌うフッカーよりも、つかまりを求めるスライサー向きのスペックだ。
シャフトはSにしては軟らかめの設定。ワッグルすると中間部分がクイっと大きめにしなる。振動数は240cpm。長さは実測46インチ。クラブ重量は284.7gでバランスはD3。アベレージ向けドライバーにしてはヘッドが利いている。
まずはシャフトに合せて軽めに打って(ヘッドスピード43m/s前後)みると・・・長尺効果で予想外にヘッドスピードが上がり、1発目から軽いドロー弾道。インパクト音はやや甲高い金属音で、「パシューン」と心地良い音が耳に残る。見た目通り、インパクトではフェースが開きづらく、ヘッドの返りっぷりもいい。インパクトゾーンでヘッドが左にターンしたがる挙動が手に伝わってくる。このため、インサイドからあおってしまうと強いフックになってしまうが、反面、アウトサイド・イン軌道でカットに振っても、スライスの度合いは控えめ。ストレートヒッターにはドローが打ちやすく、スライサーには右へのミスを確実に軽減してくれそうだ。
芯を喰った時の弾道をチェックすると・・・スピン量は2600~3000回転。重心がやや高めなんだろう。低スピン弾道で飛ばすにはフェース上側で打つ技術が必要で、そのように打つとスピン量は2400回転前後に減った。吹き上がりを抑えることよりも、安定したキャリーを出しやすい。ランで飛距離を稼ぐことよりも、キャリーをしっかり稼げるタイプのドライバーだ。
試打して印象に残ったのが、インパクトゾーンでのヘッド挙動。シャフトの先端側がしっかりしているので入射角度が一定になり、打点の位置がブレにくかった。また、わざと打点を外して打った時は、トウ側よりもヒール側で打った時の方がミスに強い。これまた、フッカーよりもスライサーに対してメリットが大きい。
シャフトは軟らかめの設定だが、打つとひ弱さを感じない。切り返した時には中間部分が大きくクイっとしなり、ダウンからインパクトにかけてはややゆっくりしなり戻る。シャフトはヘッドをビュンと走らせることよりも、タイミングの取りやすさや、しっかり叩けるタイプだ。中間部分のしなりを感じやすいので、切り返しでコックが早めにほどける人にも相性が良さそうである。
「マジェスティ ヴァンキッシュVR」は見た目通り、右曲がりの度合いを確実に減らせるドライバー。また、バランスがいいので長尺でもしっかりフィニッシュまで振り切れてしまうドライバーだ。