本間ゴルフ パーフェクトスイッチ440
打ってみると?
試打クラブは9度+。シャフトは純正の「Perfect Switch65」のS。(シャフト重量68g)リアルロフトはノーマルポジションで10度とかなり少なめ。フェースアングルはややフックで0.75度。ライ角はフラットな状態で58.25度。アップライトに調整すると59.25度。ちなみにフェースアングル調整機能でフックフェースの度合いを強めると、フェースアングルは+1.75度。オープン方向に調整するとフェースの度合いは±0度。調整するとフェースの向きは最大で1.75度変わった(アナライズ計測値)。
シャフトの硬さの目安となる振動数は265cpm。市販ドライバーの純正シャフトとしてはかなり硬めの仕上がり。ワッグルするとシャフトのしなりは少なめ。手元側がわずかにしなるだけで、中間から先端側はしっかりしている。クラブ重量は321.1g。バランスはどちらもD2.5。長さはメーカー値が45インチで、実測値が44.75インチ。
アイアンでしっかり体を作ってから、440に持ち替えて打ってみると、「カキーン」と派手な金属音とともにボールは低めのストレート弾道。ピッチャー返しのセンターライナーのような強い弾道で、吹け上がる気配がまったくない。それもそのはず、スピン量をチェックすると2100~2600回転。弾道が低いのでキャリーで飛距離を稼ぐというよりは、ランで飛距離を稼げるタイプだ。非力なゴルファーにはキャリー不足になる怖さがある反面、ハードヒッターには吹き上がる心配がないドライバーである。
スピン量が少ない理由は打点位置を確認することで、すぐに納得できた。いい感じで捕えるとオートマチックにフェースの上半分に当たる。重心が深くないことに加え、シャフトの先端側が硬いからだろう。インパクトゾーンでヘッドがアッパーに動きにくい分だけ、フェースの上半分に当たりやすくなっている。
続いて、フェースアングルを調整して打ってみると、フェース角が変わった分だけ球筋も変わってくる。フックフェースが強くなる方向に調整するとドローの度合いが強まり、オープンフェース方向に方向に調整すると、捕まる度合いが減ってくる。調整幅がそれほど大きくないので極端に弾道が変わるわけではないが、「ちょっと捕まえたい」「ちょっと捕まりを抑えたい」という人には「痒いところに手が届く」感じに仕上がっている。
そして印象に残ったのがヘッドの挙動。ダウンからインパクトにかけてヘッドの操作性が非常に高く、自分の意志通りにヘッドが動いてくれる。マニュアル感覚でヘッドを操れ、ドロー、フェードが打ち分けやすい。
純正シャフトの「Perfect Switch65」は振動数通り、かなりしっかりしたシャフト。切り返しではシャフトの手元側がわずかにしなり、ダウンからインパクトにかけてはシャフト全体がスピーディーにしなり戻る。弾き感が強いタイプで、軽く振るよりもしっかり振った方が、インパクトゾーンでヘッドが気持ちよく走り、体全体でしっかりと振り切れる。ただし、トルクが少ないのでミスに対する許容度はそれほど大きくない。インサイドからあおってしまうと、トルクの少なさが災いしてフェースが被って当たりやすくなる傾向があった。
ヘッドもシャフトもスペック通りハード。オートマチックに低スピン弾道が打てる。見た目通り、非力な人よりもハードヒッターが安心して叩けるし、球筋も打ち分けやすい。やや低めの弾道で、ランで飛ばしたい人とも相性がいいドライバーだ。