マーク金井の試打インプレッション

ナイキ VR Pro ドライバー

2011/02/15 10:00

打ってみると?

試打クラブは9.5度。シャフトは純正のツアーAD「VR511D」。スペックを計測すると、リアルロフトが11.5度でフェースアングルは±0度。アスリート向けにしてはリアルロフトが多めの設定だ。ちなみに一番捕まる状態に調整すると、フェース向きは+2度でリアルロフトが13.5度。一番捕まらない状態に調整すると、フェース向き-2.25度でリアルロフトが8.75度。調整幅はかなり大きめだ。

長さは45.75インチ表示だが、ヒールエンド法計測だと45.25インチ。クラブ重量は308.9gでバランスはD2。硬さの目安となる振動数は250cpm。予想通りシャフトはアスリート向けドライバーにしては軟らかい設定。ワッグルすると手元から中間部分がクイット大きめにしなる。シャフトに合せて少し軽めにスイングしてみると「カキン」と残響音が少ない、硬い手応えの金属音。弾き感の強さが手にダイレクトに伝わり、ボールが力強く飛び出す。弾道計測器でチェックしてみても、ボール初速が出ている。ルール適合の範囲内ではあるが、かなりフェースの弾き感にこだわりを感じる。普段と同じヘッドスピードで打った時、オートマチックにボール初速が0.5m/sぐらい上がった。

スピン量は前作に比べると少し増した感じがする。芯を喰った時のスピン量は2500~2800回転。前作は低スピン弾道で飛ばすタイプだったのに比べると、今回のVRプロはボール初速を上げて飛距離を伸ばそうとするタイプだ。そして何と言ってもこのドライバーの特徴はシャフトを脱着、再び装着する時にフェースアングル、リアルロフトを大幅に(32通り)変えられること。一番捕まりが良い方向にシャフトを装着すれば、フェース向きは+2度でリアルロフトが13.5度。一番捕まらない状態に調整すると、フェース向き-2.25度でリアルロフトが8.75度。調整幅は0.25度刻みで調整可能だ。最大に調整すると弾道が明らかに変わる。捕まる方向にすればインパクトでフェースが被りやすく、そして高弾道。捕まらない方向に調整すればインパクトでフェースが開きやすくなるし、かなり弾道が低くなる。

ちなみに、ヘッドの基本性能は捕まり過ぎない。ニュートラルなポジションでストレート弾道を打とうとすると、軽いフェード弾道。重心距離が長めで、重心深度も少し浅めなんだろう。ヘッドはゆったり返る感じで、スライサーよりもフッカーの方が、方向性のイメージを出しやすいだろう。シャフトは切り返しで手元から中間部分が大きめにしなり、ゆったりしなり戻るタイプ。ヘッドスピードに関係なく、切り返しがゆっくりしている人や、ダウンでタメをほどけやすい人にも扱いやすく仕上がっている。反面。タメを大きく作れる人や、パワーヒッターにはしなり過ぎる感じがするかも知れない。ヘッドスピードが46m/s以上の人はアフターマーケット用シャフトの方が、扱いやすいだろう。

2代目VRは洋梨形状に変わったことで、見た目通りフッカーの方が扱いやすく仕上がっている。そして何よりもの特徴はフェースの弾き感がアップしたこと。ボール初速を上げて飛ばしたい人には、かなり魅力的なドライバーだ。

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ナイキ
ツアープロが認めた弾道調整付きドライバー
発売日:2011/02 オープンプライス