藤倉ゴム工業 Motore XD410
シャフトの挙動
シャフト試打で使うヘッドは、マグレガーゴルフのマックテック DS101。体積はルール最大級の460CC。ヘッド重量が調整できるタイプなので、長尺ドライバーとも相性がすこぶる良い。今回は表示ロフト9度のヘッド、そしてヘッド重量を196gに調整して試打に臨んだ。
まずは軟らかい方のRから試打。ワッグルすると手元が硬く、中間部分がほんの少ししなる。市販ドライバーのSと同じか、それ以上しっかりしている。実際に打ってみても、切り返しでシャフトの中間部分がクイッとしなるだけ。ムチのようにシャフト全体がしなるフィーリングではなく、シャフトの中間部分が折れるような感じでクイッとしなる。そして、インパクトゾーンではしなった分だけしなり戻る。しなるポイントは少し違うが、しなりのフィーリングはランバックス Xシリーズに似ている。長尺仕様シャフトではあるが、ゆったり振るよりも、しっかり叩けるタイプのシャフトだ。
SとXも挙動は同じ。フレックスが硬くなるほど全体が硬くなってしなりづらくなるが、切り返しでしなるポイントがあるので、タイミングが取りやすい。そして、トルクが適度にあるからだろう。硬い割りには(ねじれをしなりと感じるために)、切り返しで力みのミスが出づらく仕上がっている。
弾道計測してみても、ゆったり振るよりもしっかり叩いた時の方が、ボール初速が上がり、飛距離も伸びている。スピン量についてはシャフトが硬くなるほど減っていく。RよりもS、SよりもXの方がヘッドがアッパーに動きづらく、その分だけインパクトロフトが増えない分だけ、低スピン弾道が打ちやすくなっている。
Xはかなりハードスペックだが、実際に打ってみると数値ほど硬く感じない。ヘッドスピード48m/sで打てば、なんとか切り返しでシャフトをしならせることができるし、しっかり振り切ることもできた。「XD410」は長尺仕様でありながら、しっかり叩ける(叩きたくなる)タイプのシャフトだ。ヘッドスピードが遅い人や、ゆったり振る人にはしなりを感じづらいが、反面、長尺でもしっかり叩きたい人と相性が非常に良い。また、叩きに言ってもシャフトの挙動が落ち着いているので、方向安定性にも優れているシャフトだ。