ミズノ MP THE CRAFT 611 ドライバー
打ってみると?
試打クラブは9度の純正S。シャフトはミズノ純正のクワッド(QUAD for 611)。リアルロフトは9.5度で、フェースの向きは-0.5度。数値は若干オープンだが、構えるとビシッと目標を向くスクエアフェースだ。
シャフトはワッグルすると手元から中間のしなりがやや大きめ。振動数は254cpm。アスリート向けにしては、やや軟らかめだ。長さはメーカー値、実測とも45インチ(ヒールエンド法計測)。クラブ重量は312.5gでバランスはD1.5。アスリート向けだけあって、やや重めの部類に属する。
アイアンでウォームアップしてから打ってみると・・・「スパーン」と控えめな金属音とともに、低めの放物線弾道。ストレートボールを意識してスイングするとストレート弾道。ヘッドが小ぶりで重心距離も長くないのだろう。フェースの動きをコントロールしやすくイメージ通りの球が打ちやすい。
そしてMPらしさを感じるのが打感。芯で捕えるとフェースにボールが吸い付くような手応えが手に伝わる。ドライバーなのに、マッスルバックのアイアンを打ったかのような心地良さだ。
球離れは遅めで、球筋の打ち分けもやさしい。インサイドからヘッドを入れればドロー、アウトからヘッドを入れればフェード。技術が伴えば、10ヤード刻みではなく、1ヤード刻みで球筋を打ち分けらるように仕上がっている。
スピン量は少なめ。フェースセンターで捕えると2500~2800回転。フェース上側で捕えると1600~2000回転と一気に下がり、フライヤー弾道で飛距離を稼げる。ヘッドの挙動をコントロールしやすいドライバーなので、ある程度スイングがしっかりしていればスピン量も自分でコントロールできるだろう。
ヘッドに比べるとシャフトは、ややアンダースペック。切り返しで中間部分が大きくしなり、ダウンからインパクトにかけてはゆっくりしなり戻る。粘り系のシャフトで叩きにいった時に引っかかりづらい。トルクは少なめだが、フレックス設定が軟らかめなので挙動もそれほどシビアではない。パワーヒッターには物足りない感じだが、切り返しでタイミングが取りやすく仕上がっている。
リアルロフトが少なく、スピンも少なくて吹き上がりづらい。純正シャフトがややアンダースペックなのが気になるが、「MP THE CRAFT 611」は正真正銘のハードヒッター御用達ドライバー。非力なゴルファーにはかなり手強いが、球筋を操りたいアスリートゴルファーには頼りになる1本だ。