ナイキ VR_S フォージド ドライバー
打ってみると?
試打クラブは9.5度。シャフトはナイキオリジナルのFUBUKIのS。アドレスするとフェースが少し左を向いている。弾道調整機能が付いているが、ノーマルポジションだとフックフェースになっているようだ。シャフトはワッグルすると中間部分がクイッ、クイッとしなるのが手に伝わる。アベレージゴルファーを意識しているようで、Sにしてはそれほど硬さを感じない。
まずはヘッドスピードをやや落として打てみると‥‥「バシュ」と低い音ととともに、ボールはドスンとネットに突き刺さった。ナイキのドライバーというと派手な金属音が出るイメージが強いが、このVR?Sはガラッと変わった。金属音が全くなくなり厚くて深いインパクト音。ゴツンという鈍い音とともにボールが力強く飛び出すのだ。
弾道計測してみると、メーカーの思惑通りにボール初速が出ている。高反発ドライバーを打った時とは正反対の手応えなのに‥‥なぜかボール初速が上がっているし、実際飛距離も出ている。気合いを入れてしっかり振ったら初速68m/sを越えた。普段よりも0.5m/s以上アップしており、その分、キャリーも普段より3~5ヤード伸びている。
スピンについては多過ぎず、少な過ぎず。フェース中央付近で捕らえると、2700~2900回転。低スピンで飛ばすには、フェースの少し上側で打つことが求められる。ランで飛距離を稼ぐタイプではなく、キャリーで飛距離を稼げるタイプだ。
捕まりはニュートラル。フックフェースだがスライサーがドローを打てるほどではなく、直進性が強い弾道が打ちやすい。ちなみに弾道調整機能を使って、捕まる方向にフェースを調整すると、「これでもかっ」ってぐらいフックフェースの度合いが増し、右にスッポ抜ける怖さがなくなってくる。
ナイキオリジナルのFUBUKIは、切り返しでシャフトのしなり量が大きめ。ヘッドが遅れた感じになる度合いが強いので、ヘッドの重さを感じやすくタイミングが取りやすい。しなり戻りはややスロー。ゆったり振ると捕まりが良く、スピーディーに振ると左のミスが出づらくなっている。
低スピン感は控えめだが、ルール適合ドライバーの中ではボール初速の出方はかなりのものだ。キャリーで飛距離を伸ばしたいゴルファーには、確実に期待に応えてくれるドライバーだ。