ヤマハ インプレスX クラシック ドライバー(2012年モデル)
打ってみると?
試打クラブはロフト10.5度。シャフトは純正の「TBX-412DIII」。10.5度表示でリアルロフトは12.5度。フェースアングルは+0.75度。シャフトはシニアゴルファーを意識しているのだろう。ワッグルするとかなり軟らかい。手元側、そして先端部分がクイックイッと大き動く。Rの振動数は221cpm。数値的にもかなり軟らかい。クラブ重量は269.7gでバランスはC3。
シャフトに合せて、いつもよりもゆったりスイングしてみると「パシューン」という音とともに軽いドロー弾道。ヤマハならではで、インパクトゾーンでヘッドが返りやすく、捕まった球が打ちやすい。そしてヘッドが軽いのが影響しているのだろう。46.75インチと非常に長いにもかかわらず、女性用ドライバーを振った時のような軽い振り心地。スイングするとヘッドの軽さが手に伝わる。ヘッドが軽いので、シャフトだけをビュンと振った感じになってヘッドスピードが勝手に上がってくれる。実際測定してみても、40m/sぐらいで振っているにもかかわらず、実際のヘッドスピードは42~43m/sぐらい出ているのだ。
ただし、ヘッドスピードに比例してボール初速は上がっているわけではない。ヘッドの軽さはヘッドスピードを上げるには効果的だか、ヘッドの軽さは反発力ダウンが避けられないからだ。体感的にはヘッドスピードアップと反発力ダウンを相殺すると、長尺の分だけ飛距離が数ヤード伸びる時があった。それが顕著に出るのが、ヘッドスピードが34~40m/sぐらいで打った時。これぐらいで打つと、「長尺+軽ヘッド」の恩恵を最も受けられて、飛距離を伸ばしやすい。反面、ヘッドスピードを45m/s以上にあげてしまうと、ヘッドの軽さが災いしてボール初速が上がりづらく、長尺効果による飛距離アップがあまり望めない感じがした。
スピン量については前作よりも少し減って、芯で捕らえると2500~2700回転ほど。シャローフェースなのでスピンが極端に減る弾道が打てるドライバーではないが、ヘッドスピードが遅めのゴルファーにとっては最適スピン量を打ちやすく仕上がっている。長尺ドライバーでヘッドスピードを上げて飛ばしたい。ヘッドスピードが40m/s以下で、長尺で捕まりの良いドライバーを求めるシニア、そしてパワーのある女性には飛びを期待できるドライバーだ。